以前ホームページに乗せた旅館の事業改善に関して書いた物ですが、ホームページを閉じてしまったので、こちらで再掲載してみます。
何年も経ちますが、今でも使えますよ。
売上アップへの近道①
今までお会いした旅館の経営者の殆どの方が、「昔のあの頃は、売上がこの位あった。施設をこう改築(修繕、改装)出来ればなんとかなる。」とおっしゃいます。
私の場合、これまでの案件は、100%金融機関か再生支援協議会からの紹介でしたので、必然的に業績不振の施設だったからかもしれませんが、まず、例外無く、この言葉が何かにつけて出てきます。
そのせいなのでしょうか、経営者の方は皆さんは、売上額に異常なこだわりがある気がします。
本当に大事なのは、利益額なのですが・・・。
私の場合、まず営業利益(借入金の返済など旅館の運営に直接関係無い物を省いた、純粋にこの施設を運営して得られる利益『本業での儲け』)を一番大事にします。何故なら、ここで赤字ならこの商売をしても先が無いという事ですから。どんな言い訳も何も出来ません(今は、日本中の銀行の本部に中小企業の経営支援や再生を担当する部署を必ず置いています)。
次に、営業利益が黒字でも、借入金が多くて、とても返しきれないケースかどうかです。このケースが、実は一番多いのですが。
それでも、金額や内容によって対応は千差万別ですが、銀行が協力してもらえば、再生可能性は大です。
いずれにしても、売上額ではなくて、必要な営業利益額を確保することが、『旅館の事業改善』の最初の目的です。ある程度の売上額は、必要条件ではあっても、十分条件ではありません。 金融機関も、営業利益が出ない取引先を支援し続けることは、したくても不可能なのです。
【旅館側】
売上アップのためには改修・修繕資金を貸してもらいたい。
【金融機関側】
追加融資したくても、返してもらえるという現実的で実効性のある計画があり、実際にその計画通り実行され、実績が出てこないと、少なくとも前向きな資金は難しい。銀行内部での承認(決裁)や、自己査定、金融庁検査があり、通らない。
このギャップがなかなか埋まらない事が問題なのです。『ニワトリと卵』の問題なのです。
では、仮に改修資金が確保でき、施設等の改修ができたとしましょう。
良くなるのでしょうか?
一時は、売上は上がりますが、長くは続きません。一方借入金は以前よりもさらに増えてしまい、返済額は増えているのですから、借り入れ残高は、おそらく殆ど減りません。
実はこの繰り返しが、多くの旅館で行われてきた事なのではないでしょうか?
昔からそうでしたが、特にバブルの時に顕著だったような気がします。
現在は、銀行もなかなか追加融資は出来なくなっています(一昔前は実態価値が無くとも、担保を取って追加融資をしていましたが、今は、『事業継続可能性』、要するに、営業利益が出る事が要件です)。
では、どのようにしたら、両者のギャップを埋めることが出来るでしょうか? そして、どのようにしたら、利益を生み出すことが出来るのでしょうか?
今のままでは、毎回、逆算した経営計画の数字と、机上の空論の営業計画・改善計画を、金融機関に提出する。 出したその月から、言い訳を考える毎日となっているのではないでしょうか?
金融機関側も、経営の当事者ではないので、歯に物の挟まったような言い方でしか意見を言えない、という負のスパイラル状態が続くことになります。
次回は、私の経験を基にして、踏み込んだ私見を書く予定です。
