フランスの女性監督コラリー・ファルジャが「ゴースト ニューヨークの幻」のデミ・ムーア主演で製作したゴールデングラブ賞主演女優賞に輝きアカデミーにもノミネートされた話題の映画です。元有名女優のエリザベス(デミ・ムーア)は今はテレビで美しいスタイルを維持するエクササイズを担当している。リズムに乗って今も美脚で悩殺ポーズ(笑)トイレに行こうとしたら生憎女性用が使用できないようなので男性用に駆け込む。おしっこに携帯で話し込んでいるプロデュ―サーの話を偶然耳にしてしまう。「もうあの女は50だからもう終わってる。若くて活きのいい子はいないか?」昔と比べて最近はめっきり仕事が少なくなっ

 

 

た。それをエリザベスは若さを失ったからだと悟っていた。TV局からは例のディレクターから番組から降板を告げられる。何とかしなくてはと寿司のチラシなどの入った中からサブスタンスの薬事療法で若さを取り戻す秘策に惹かれるのです。映画館ではサブスタンス接種証明書シールがもらえます(笑)入会登録番号は503でタッチすると1週間ごとに注入するキッドが用意されている。エリザベスは遂に禁断の薬物に手を出してしまう。美人というのはいつも笑顔で周囲から、すれ違う男から熱い視線を浴びてそしてそれをエネルギーにして生きてきた。ところがある日を境に自分への視線が失くなり向うを歩く若い女に飛び越えて行く。

 

 

エリザベスは全裸で鏡の前に立ちもう一度あの頃のボディと美貌を取り戻したいとサブスタンス接種を決意する。少し垂れた双房とヒップも引力の法則だから仕方がないのです。いや男からはその事実が長きにわたり女を生きてきた証でありパートナーには優しく接してきたのでしょうから異性としてとても尊敬できるのですが、当人の美と若さの飽くなき追求は痛いほどわかります。「ゴースト ニューヨークの幻」でろくろを廻すシーンを映画のように模倣したことがある私の世代のデミ・ムーアはかわいかったですね。そしてこの装置でまるで蝉が脱皮するように生まれたのがスー(マーガレット・クアリー)もう若い女性ってこんな見事な肢体だったのか?実はエリザベスもスーも同じ人間なのだがそれぞれに1週間ごとに交代のルールがある。セクシーな女性がまた視線を浴びる日々に戻りたい。若さと美貌で照明を浴びる日々のスーは今横たわって安定剤を注入する老いた女に戻りたくない。互いに微妙なズレが芽生え始める。ジャンルはホラー映画なのですが美に対する執念がとても怖いし痛いです。怖い映画なのにM.モンローの仕草を取り入れたり無重力ならスタイルの劣化はないはずと思ったらあの名映画音がかかったりたり。クライマックスはもうここらで幕を下ろしていいんじゃないかというほどこれでもかこれでもかと過去のホラーの名作にオマージュを捧げたりオモシロかったです。デミ・ムーアの全速演技に脱帽です。アメリカ映画が売れないから他国映画に関税かけるなんてマーベル映画一択じゃなく売れるハリウッド映画を作る努力が不可欠でしょう。    (4.80)