埼玉県川口市の高校に通うサーリャ(嵐莉菜)は在日クルド人の子女である。 映画が始まってすぐにクルド人たちの結婚披露パーティである親戚のおばさんが「次はあんたの番だよね」とサーリャに語りかける。よく知らないが川口市ではこの国を持たない最大の民族クルド人問題は大きな問題らしい。トルコ・イラクあの辺らしいが・・・サーリャは高校では勉学に励んでいて成績も優秀である。学校が終わると橋を渡って東京のコンビニでバイトに励んでいる。店長は何かと接客に細かい注文ばかりする(笑)そこで同じくバイトの聡太(奥平大兼)が何かとフォローしてくれる。ただし聡太は店を営む母(池脇千鶴)の手伝いをしている

 

 

だけなので互いの立場は違うのだが大学進学のことなど話し合うようになっていた。夏のオープンキャンパスも二人で行く約束をしていた。サーリャの家は川口のコンビニの2階にあるアパートでここで父・サーリャ・妹・弟と暮らしている。食事も家族みんなが絨毯に座りお皿を取り囲んでまず神に感謝と“明るい未来”の祈りを捧げてからだ。監督・脚本は川和田恵真といい今作が長編映画の初デビューだそうですが師匠である是枝裕和監督の影響が如述に表れておりドキュメントタッチなのですね。河原で石を投げたりたわいもない遊びをしていた二人に急な通り雨でサーリャ宅で聡太が着替えているとき父が帰宅してくる(笑)着替えたT          

監督

 

シャツは父のモノだったから・・・・やがてその父が不法就労で入管に収監されてしまう。難民申請してもすぐ却下されてしまう。誰がチクったのかバイト先では在留資格のないサーリャはバイトを解雇されるし志望した大学の推薦はもらえなかった。これから先どう生きればいいのだろうか?女友達の誘いでカラオケだけオジサンに付き合ってお小遣いをもらうなんて危ないですね(笑)難民問題専門の弁護士の話では当人だけが帰国すれば日本で生まれた子供にはビサが下りた前例があるらしい。サーリャはクルド語と日本語を使いこなすが妹と弟は日本語だけしかわからない。甘い初恋のテイストを醸しながら日本に住む外国人の現実と残った1万円と数千数百円のお金を数えるサーリャの演技がとてもよかったですね。セーラー服を着ていても女友達とダベルときも普通の女の子を演じる嵐莉菜はとても映画初出演とは思えないほどうまかった。時々ぞっとするほど美しいのはモデルさんだからなのですね。この問題日本人があまり興味を持たないことに少しでも提起してくれるといいですね。 (☆4.20)