事実を基にした久しぶりのドイツ映画です。2001年10月ドイツのプレーメンに暮らすクルナス一家のラビエ(メルテン・カプタン)は3人の息子の母であり朝まだ起きてこない長男ムラートがまだ朝食に降りてこないので「まだ起きないなら髭を切るから」と彼の部屋を開けると蛻の殻だった。一家はトルコ系移民で特にムラートは信仰に厚く今日もモスクの礼拝に行ったのだろうと思ったが電話がありパキスタンに向かうという。それからは一切連絡もなくラビエも心配していたが数か月後一家の自宅前にマスコミ各社が息子がタリバンとして身柄拘束された心境を父・母からコメントを入手したいと押しかけて来た。時9・11か

 

 

ら数か月後のことである。息子から一通の手紙が届いた差し出し印はグアンタナモ収容所となっている。ドイツ政府に掛け合ったりトルコ政府にも嘆願するのだが・・・何の返事もなく日にちだけがただ過ぎていく。どんなに辛くても苦しくとも夫や2男3男のためにも持ち前の明るさで家族のための料理も手抜きがない。ドイツの家庭料理ってあんなに砂糖を入れるもんだろうか(笑)一息入れるのにコーラも欠かせない。映画は画面が入れ替わるたび○年○月○日と表示される。コーラで一息入れて何気にTVを見ているとメルケルの就任儀式が映し出される。「あんたもお母さんよね」再び立ち上がったラビエは人権派弁護士ベルンハルトの

 

 

元を訪ねると「忙しいので予約の無いご相談には・・・」と彼が断わったときラビエが持参した手紙の差し出し住所を見て「あなたはこの刑務所がどこにあるかご存じですか?アメリカ本土とはかけ離れたキューバに近い場所です」早速弁護を開始するがトルコ国籍なのでドイツも帰国に消極的だ。トルコはあんな大国を相手に紛争に巻き込まれたくない様だ。こうなったら世界を味方につけて母が起こす行動でアピールしよう。二人はアメリカ大統領を告訴するためドイツからワシントンDCまで飛ぶ。「ビジネスクラスはいいわね」費用は人権団体から支給されるため不要なのです。だが一度の渡米でドイツ人の嘆願を聞き入れるほど大国は甘くはない。何度も何度も往復するうち大谷さんのように英語がある程度わかるようになってくる(笑)これから先は興味ある方は是非映画でお確かめください。ラビエが米人権開催のスピーチなのに母の思いは外国でも人の心を打つモノなのですね。ドイツでもこんな歩き方を“日本の芸者の歩き方”と言うのですね(笑)        (☆4.10)