美しい日本の山郷清らかな川が流れ鳥たちの囀りが聞こえる中カメラが移動していくと兵士たちの遺体がゴロゴロしている。合戦に明け暮れ長閑なこの村も血で血を洗う戦場と化してしまった。北野武監督作品はその映像が美しいのです。観客は圧倒的に20代の青年が多く、監督の年に近いのは私だけでしたよ(笑)たけしさんは若者たちからの支持が多いのがわかります。織田信長(加瀬亮)は「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」の一句の通り尾張弁で捲し立てて荒れていた。それというのも村重(遠藤憲一)が謀反を起こしたからである。信長は家臣明智光秀(西島秀俊)羽柴秀吉(ビートたけし)に村重の首を持参せよと命を出す

 

 

 

のだった。それにしても徳川家康(小林薫)は腹の中で何を考えているのか掻っ切らないことには掴めない。いっそ今のうちに始末しておいた方がよいだろう。とまぁ誰もが知っている本能寺の変へと進んで行くのです。「このハゲ~っ」(笑)ハゲとブタが絡み合う官能の戦国の世にあって天下人よりも純愛を貫く武士たちの潔さが目を引きます。戦での武器特に忍者が敷いた手裏剣の地雷原など海外の方からの受けが期待できそうです。竹林もきれいですしカメラワークが芸術ですよね。今回のたけし映画も“血”の色に拘って登場人物紹介時のタイトルが見辛かった。さて切腹の介錯や処刑としてギロチンをもって斬首刑の畏敬の念を

 

 

 

抱いているカンヌでは称賛されそうだ。首ってホント大事なんですよね。失くすと生きていけないんだもの。さてどれほど大事な「首」かは・首が飛ぶ・首が回らない(私はいつも)・首にする・首を切る・首をすげ替える・首を突っ込む・首を長くする・首を捻る・鬼の首を取る・小首を傾げる・寝首を掻く・真綿で首を絞める・雁首を揃える・鎌首をもたげる・思案投げ首・首が危ない・首になった・首が繋がる・首に縄をつける・首の皮一枚・首を賭ける・首を傾ける・首を捻る・首を縦に(横)振る・首をあげる・小首を傾げる(飼ってたワンちゃん思い出す)首の座に直る・首根っこを押さえる・そして映画の本題の「首を刎ねる」他にもありましょう。ただねあそこは三池崇史の「13人」に酷似していたからね(笑)小柳ルミ子さんの解説を要すのでは?影武者といい毒殺といいたけし師匠がいかに黒澤明に影響を受けたかよくわかります。映画はえ~っそんなところで終わっちゃうの?(笑)カメラワークがホントっ素晴らしかった。  (☆3.60)