あの日3月11日夜岩手県在の知人にメールをしました。大丈夫だったのですが被害状況がわかるにつれこれまで通りにお気軽に連絡することが叶わなくなってきました。ただあの夜の岩手県の月が驚くほど蒼かったそうです。映画ではラジオを通して安否確認の応答呼びかけが続いています。「電話なんてできるわけないだろ、ケータイは流されてないんだから」誰かが叫んでいます。宮城県では全身を縛られたまま脱水そして餓死させられた凄惨な連続殺人事件が起きていた。県警の刑事笘篠(阿部寛)は二件の○被に共通している職業から糸口を一つ一つ追い始めた。監督は瀬々敬久そうあの「64」がありましたね。このころちょうど強盗を追って本物の刑事さんが

 

 

 

 

来て容疑者の写真はなんとアニメファッションでした(笑)もちろんこれで手配しているわけではなく着替えている映像がちゃんとあるそうです。私の机の上の本「64」を見つけて刑事さんと映画の話になりました(笑)「警察署の中はあの映画の通りの雰囲気でまるで自分の職場のまんま」だったそうです。映画談義と子育ての大変さを親父同士で語った思い出があります。さてこの映画の利根泰久(佐藤健)は

保護観察人の計らいで就職できて知人の遠島けい(倍償美津子)に会いに行く。けいは自分の息子のように迎え入れ「おかえり」と声をかけるのだった。そして「笑顔でいれば人が優しくするのよ」と諭す。佐藤健は「人斬り抜刀斎」のキャラが出来上がってしまっていて

 

 

こういう役は初見なのです。街を歩いていてもスレ違ったら必ず視線を下げて通りますよ(笑)スクリーンに利根の顔がアップになっただけでも怖いのです。こういう演技派の俳優だったのを再認識しました。そして倍賞美津子演じるけいのぎりぎりの生活を支えるため円山幹子(清原果那)は幹から「カンちゃん」と呼び親を流された者の親代わり家族を失った者同士支え合って生きてきた。時系列がバラバラにしてあるのですがこのカンちゃんが時間軸の廻し役になっているのでわかり易い気がします。笘篠もあの大震災で妻と息子が流されていた。妻の遺体は発見されたが息子はいまだ見つからない。あの日は黄色い服を着ていた。足で稼ぐ刑事なのだがいまだに黄色い上着の少年

を見かけるとつい視線が追うのです。あまり長く書くとネタバレしますので何も情報を入れずに観た方がよいですよ。倍賞美津子さんと佐藤健には何か賞をあげてもよいくらい熱演でした。上崎(吉岡秀隆)も実生活でそろそろ政界に進出しそう?(笑)    (☆4.40)