ディズニー映画「101匹わんちゃん」に登場する物語史上最も嫌われる悪女クルエラ(エマ・ストーン)をスピンオフした彼女主役の映画です。この手法は『マレフィセント』 に近いですね。ご丁寧に出生したシーンからクルエラの語りで始まります。イギリスの片田舎で暮らす少女エステラは生まれつき髪の色が白と黒の半分だった。町では母子家庭のエステラをいじめにする者がいたが彼らには屈しない強さがあった。このころイギリスも不況に喘いでいて母とともにロンドンで暮らすことになる。母は大きなお屋敷で車を止め「お金の工面をしてくる」とエステラに言い残し車で待つように告げたとき「このネックレスは先祖代々の家宝だから」とエステラに渡したが二度と戻ってこなかった。

 

 

 

 

母がいなくなり孤児になってしまったエステラにロンドンの下町を根城にしているストリートチルドレン二人が優しく声をかけてきます。映画『キャッツ』に似た入り口です。日本映画の『万引き家族』ように三人は互いに協力し合い生き抜いていく。追っ手から逃げる際に拾った子犬も家族に加わった。それから10年経ち今は70年代の『ラ・ラ・ランド』ようなミュージカル映画を予想してましたらちょっと違いますがなにせ音楽が次から次へ名曲が流れて行きます♪ いつまでも泥棒稼業を継続できないというか兄弟たちからの粋な計らいでシャネル、ヴィトンに次いでファッション界のカリスマ男爵夫人バロネス(エマ・トンプソン)の企業に入社してトイレ、床掃除何でもこなしていた。

 

 

 

ある日ショーウインドウのディスプレを自分の閃きで改装してそのまま寝込んでしまったエステラに朝出社した責任者は怒り狂って「クビだ」と叫ぶ。ちょうどその時顔を見せたバロネスはそのセンスの良さからファッションデザイナーに抜擢した。そしてバロネスの飼い犬ダルメシアンが犬笛で人を襲うところを偶然にも発見する。それとなく過去の事故を聞き出したエステラは人間の悲しみは5つの面があるが「私はもう一つ復讐を加えるわ」 その日からバロネスの開催するパーティにクルエラと名乗る白と黒の二色の髪色の女が現れてはバロネスに対抗したニューファッションを世に送り出していく。斬新的なデザイン、ダルメシアンの皮で作ったようなブチのコートを身にまといさっそうと現れたクルエラもファッション界のカリスマに突き進んでいた。カリスマになる人は自己顕示欲が強く弱音を吐かない。そんな彼女たちのお互い存在意義をかけたバトルも見どころですが毎回トッカエひっかえするエマ・ストーンの煌びやかなドレス姿がお美しいですね。久しぶりのエンターテイメント映画に笑いもあり楽しめました。もちろんエマ・トンプソンの助演も相変わらずナイスです。美しい大女優エマ・ストーンを安易なロマンス封印して「家族よ」という演出は好感持てました。布地は緊急時にも役に立つのですね(笑)   (☆4,25)