自分の法螺貝、錫杖、いらたか念珠です。
私の高尾山時代の仲間の法螺貝の動画がたまたまありましたのでご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=NGcj5OO42cM
修法や法要、修行中に連行中にとあらゆる場合に合図としてばかりでなく
神仏に捧げる時にも吹きます
修験道(山伏)の法具は12種類と色々ありますが法螺貝、錫杖,念珠は
最低限必要なアイテムです。それぞれが楽器の役割をしています。
山の中で時には海の場合など大自然の中で吹く立螺は格別な体現です。
宗教的には魔や悪気を払い、猛獣なども寄せ付けない神獣の声や神仏の声に聞こえるそうです。
日本の戦国時代では武将達が出陣の合図や戦場の陣地間の合図に
使ったりしました。
関東では北条氏が小田原から高尾山経由で八王子城まで伝達して繋いだ
ので携帯電話みたいな役割をしていた逸話があります。
法螺貝を吹くことを立螺(りゅうら)と法螺を立てるといいます。
立螺法といって真言宗系の当山派と天台宗系の本山派や神道系の
白山系と羽黒山系などで流派別で吹き方が多少違います。
ちゃんと音階や和式の楽譜もあってドレミファソラシドと同じ木火土金水と
いう音階があります。
大きさも大中小があり山の修行では持ちやすく音もそれなりに響きやすく
吹きやすい法螺貝が重宝されます。
私の法螺貝は30年近く使っていますが中位の軽くて山で使いやすい物で
四国の石鎚山の法螺貝作りの名人の方に選定して作っていただいた物です。
山伏をやっていて何の修行が一番大変かといえば法螺貝の練習と実践です。上手く音が鳴れば良いという事ではありません、
神仏と一体に成って吹ける様に成らなければ成りません。
私は高尾山薬王院で先法螺先達(さきぼらせんだつ)という先頭でソロで法螺を吹くお役目を長年させていただいてましたが良い経験に成りました。
大きな法要や節分会、火渡り祭等で大勢の人達やTVマスコミの前で吹くときは上手く吹こうという気持ちと緊張で音が出なかったり間違ったりと大変な思いをした経験があります。神仏と一体に成ってなかったんですね、
又は神仏の前で特に本尊前では自分の心が定まっていない時や雑念がある時は神仏が法螺貝を吹かしてもらえない時があります。
まさに大変な修行の一つです。