私が高尾山薬王院の修験道護法会に在籍していたころの食事のお話です。

毎月と言っていいほどのお祭りや行事が沢山ありました、初詣の初護摩から始まり初甲子、初午、初不動、節分祭、初何々と一番大きなお祭りの3月の火渡り祭と春季大祭、八王子祭り、秋季大祭と1年で沢山の行事がありました。現在の新型コロナウィルスの影響で春からの多くの行事やお祭りが中止に成ってしまった様です。

 

普段の時も行事やお祭りの時も下の様な精進料理を食べていた訳ではありません。高尾のお坊さん、職員、山伏、皆同じ物を食べます。

(普通の和食です。カレーライスや肉料理も出ました。)カレー

         

             紅葉膳        

       個室膳

 高尾山の宿坊でお出しするお膳です。薬王院に上られた際にはそこで

お召し上がり下さい。色々な種類のお膳がお酒と共にあります。

(高尾山薬王院のホームページ)

https://www.takaosan.or.jp/shojin/

 

本格的な食事の時がありました。

春と秋の滝の行場(琵琶滝と蛇滝)の滝開きと滝じまいの式典

(開瀑式と閉瀑式)の時は滝場の詰所横で本格的な精進料理を

信者さんや他の行者さんの手作り料理で接待していただきました。

中には見た目は肉で味も肉ですが大豆や野菜で作ったハンバーグなど

見分けのつかない物には最初は戸惑いがあったりしました。

 

ここからですが実際、原則としての食事や飲み物の制約(禁止)はお坊さん、修験道、神職の何れも制限もありません。

特に仏教では、日本の大乗仏教(字に書いたごとく大勢の生き物が同じ

土台に乗って仏の教えを受ける)という密教を含んだ仏様の教えの元では

出された物や自然から発生した物は神仏から授けていただいた大切な食べ物としてありがたくいただく習慣と教えが古来からあります。

 

ただ僧職、神職かまわず聖職者が大手を振ってお酒を飲めば一般の人達は良い気持ちもしませんので昔から隠し言葉がありましてお酒の事を

般若湯(はんにゃとう)と読んだりしてます.日本酒

 

ここからです本当は、実際は。(参考までに)

私達(高尾山修験道)の場合と私個人の行者としての話です。

 

修法前、修行前、修法中、修行中、願掛け中、請願中、はやはり

仏教の戒律で云われている肉、にんにく、ニラ、ねぎ類の球根類、

臭いの強い物、酒類の摂取飲食と性行為は当たり前の様に厳禁です。

 

終わりましたらその限りではありませんが、私の場合はにんにくが大の苦手と、年齢的に肉類はあまり食べられなく成りました。ショボーン

なるべく修行前や参拝前は控えていますが外食時に偶然お店で注文した物に入っていたらありがたくいただきます。

 

なぜ制限制約があるかというと それらを嫌う神仏もおられます。何かを我慢しながら大切な何かを達成する修行の過程の大事さがそこにあります。

一番は魂のパワーが落ちてしまい権力という不思議な神がかり的な力が

出せず使えません。

 

又は信仰している神仏に願掛けや請願をして

(この食べ物を一生絶ちますのでどうかお願いを成就させて下さい)と

いう場合が行者でも一般の方でもたまにおられます。それを断ち物と言います。

有名なのは大聖歓喜天様 聖天様です。

大根が大好きでお供え物なのでよく控えられる方がおられます。

 

山伏の先輩先達やお坊さん山伏の中には高尾の飯綱権現様は迦楼羅天様で羽とくちばしがある鳥の神様なので鳥を食べないという方が何人かおられましたが、その日のお昼のお弁当の中には鶏のから揚げが入っていて

残しているのを拝見しました。それもどうかと私は修行中でしたが有り難くいただきました(私も食べていい物かと当時少し心が揺れました)。

 

ある時に断ち物について師匠から聞きました。(とてもお偉い成満大先達です)師匠は私の事をつるちゃんと読んでいました。

(お偉い生き神様でアニメのドラゴンボールに出てくる背を高くして痩せた

界王様みたいな感じのおじいさんです)

つるちゃんがそう思えばそれで良いし迷わずに進みなさい。

その事にずっと執着してはいけません。

一番難しい答えです。神仏が教えてくれる事ではなくて自分自身が仏様なので自分で決めろ。という事です。

ですので私は少しこだわりますが神経質にこだわるのをやめました。