「蜀犬日に吠ゆ」


中国の蜀(しょく / 四川省)は山岳地帯で霧が深く、太陽が顔を出すことはまれである。


だから、蜀の犬は太陽を見ると怪しみ驚いて吠える、という昔からの言い伝えがある。


かつて三国志の蜀のふるさと成都(四川省の省都)に行ったことがあるが、確かに太陽は出ていなかったように思う。



さて、さる10月3日、東京都心で雨が観測されなかったことで、8月27日から続いていた連続降水日数は37日で止まった。


それでも、1886年の統計開始以降で過去最長というから、やはり長かったと感じるのは当然だろう。


東京の犬にしても、久しぶりの太陽に驚いて、思わず吠えたくなったのではなかろうか。




「蜀犬日に吠ゆ」


このもう一つの意味は、見識が狭く無知な人が、当然のことや優れた人の言動を怪しんで非難すること。


マイナンバーカードは安全だから疑うのは「蜀犬日に吠ゆ」だと言われたが、早速情報漏洩が生じた、という風に使うそうだ。


ただ、なぜ蜀の犬を、見識がなく無知な人と例えたかはよくわからない。




ところで、隣の家が育てていたヒマワリが、今頃になって咲き始めた。


背を伸ばすことに一所懸命で、花を咲かせることを忘れてしまったらしい。


今は10月。


夏はとっくに過ぎたというのに。


その季節外れのヒマワリの花を見て、「蜀犬日に吠ゆ」のように、私は驚いて思わず吠えたくなった。