在マレーシア日本国大使館から、F1(フォーミュラ1)に関する注意喚起のメールが届いた。


はて?


マレーシアは、2018年にF1から撤退した筈だが?


読むと、中東情勢の影響で中止となったバーレーンGPをマレーシアで実施するとある。


それに伴い、サーキットに向かう道路渋滞、サーキットでのスリや置き引きなどの犯罪が予想されるので注意されたし、という内容である。


マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキット



このF1の名称はマレーシアGPではなく、あくまでもバーレーンGP。


正式には、「F1ガルフ・エア・バーレーンGP・イン・マレーシア」、10/2〜4の開催となる。



中東バーレーンは、ペルシャ湾の南側に浮かぶ島国である。




治安は比較的良好と言われているが、2月28日のイスラエルと米国のイランへの攻撃が、バーレーンにも影響を及ぼした。


バーレーンには米軍基地があり、サーキットから数kmしか離れていない燃料施設もイランの報復攻撃の対象とされたのだ。


これでは、おちおちF1を開催している場合ではない。


そこで、代替地としてマレーシアが浮上した訳である。


おそらく、過去にF1の開催実績(サーキット)があること、翌週F1が開催されるシンガポールとマレーシアが近距離にあること(短時間の物流移動が可能)が主な理由であろう。



日本はさておき、世界では栄えある伝統と熱狂的な人気を誇るF1である。


その開催国ともなれば、その名誉たるやどれほどのものであろうか。


だから、開催地がマレーシアになったとしても、バーレーンとしてはバーレーンGPの文字を何としても残したかった。


だから、「F1ガルフ・エア・バーレーンGP・イン・マレーシア」。


このタイトルスポンサーであるガルフ・エアは、バーレーンの国営航空会社である。


ならばと、F1 の開催時期、バーレーンからマレーシアに行きやすくするために、バーレーンとクアラルンプールを結ぶ直行便を運行することにした。


これはガルフ・エアが国営並びにスポンサーだからこそできたことだろうが、期せずしてガルフ・エアは世界的に知名度を上げることになった。



さて、11月下旬から12月上旬にかけて、カタールとアブダビの両国でのF1開催が予定されている。


どちらもバーレーン同様ペルシャ湾沿岸に位置する中東の産油国、イランの目と鼻の先にあるホルムズ海峡を通じて原油を大量に送り出している。


そしてこのカタールには、中東最大の米軍基地であるアル・ウデイド空軍基地がある。


すでにイランはここにも弾道ミサイルを発射しているようだから、いくら名誉があるとはいえ、F1開催は見送らざるを得ないだろう。


そうなると、中止にするか、もしくは別の国で開催するか?


いずれにしても、イランでの戦争が始まって以来、F1関係者は「もうやってらんねーよ」と辟易しているに違いない。


そして、

「こんな戦争、早く止めちまえ」

と吐き捨てるように言っているであろう中、いままさにバーレーンGPがマレーシアで開催されている。