マレーシアで車を運転するときは、いつもラジオを聴いていた。


特に、海外で流行っている曲を流す番組はよく聴いていたので、日本にいるときより世界でどんな曲が流行っているか知っていたかもしれない。



2〜3年前のことだったか、ラジオから、

「死ぬのがいいわ〜」

という日本語が聴こえてくる曲があった。


は?


死ぬのがいいわ、だと?


死ぬのがいいわなんて、不謹慎じゃないの!


前後の歌詞はよく聞き取れない。


それでもまた、

「死ぬのがいいわ〜」

を繰り返す。


しかも、これ以上ない暗そうな声で。


なんだ、この不気味な歌は。



しかし、しばらくするとまたこの曲が流れてくる。


これだけ頻繁に同じ曲を流すということは、もしかしてよほど流行っている曲なんだろうか?


しかも、世界的に?


言葉を知ってる私が憤り、言葉を知らない世界の人は受け入れている?



それは何故だろうと思いながら調べてみると、その歌手はすぐに見つかった。


名前は、藤井風。


彼は、TikTokだったり音楽配信サービスだったりと、立体的にネットやSNS対応していたようで、そこから火がついたということらしい。


いまでは、Spotify(デジタル配信サービス)での再生回数が8億回を突破したというから、もはや日本を代表する世界的歌手ということになる。


因みに、

「あなたと別れるくらいなら、死ぬのがいいわ〜」

という熱い想いの歌のようで、歌詞の一部だけを切り取って文句を言ってはいけなかったようだ。

失礼。


藤井風「死ぬのがいいわ」



ところで、数年前から世界的にヒットしている日本の曲がある。


それは、2020年のSpotifyで18日間世界1位を記録した、

「真夜中のドア〜stay with me」。


松原みきが歌ったこの曲は、1979年に発売されたが、大ヒットというまでには至らなかった。


それが、40年余りの歳月を経て世界的に大ヒットするとは、2004年に44歳でこの世を去った本人ですら考えてもいなかっただろう。


どうやら、誰かがYouTubeに投稿した「真夜中のドア」が偶然おすすめに表示され、じわじわ広がっていったということらしいが…


さらに拍車をかけたのが、インドネシア出身のYouTuber、Rainychがカバー動画を上げたこと。


これが話題となり、東南アジアから英語圏へと一気に広がっていったという。



松原みき「真夜中のドア」


Rainychがカバーする「真夜中のドア」



ときに音楽は、時代を超え、国境を越え、言葉の壁を越え、それでも人の心を揺らすことができる、魔術師のような存在になる。