韓国のゴルフ関連企業ショーゴルフ(SHOWGOLF)が、鹿児島県の「さつまゴルフリゾート」を買収した。


「さつまゴルフリゾート」

鹿児島県観光サイト かごしまの旅HPより



<さつまゴルフリゾートの沿革>

1991年に青木建設子会社が「イースタンリゾート薩摩倶楽部」として開業

2004年に京セラが買収し「インターナショナルゴルフリゾート京セラ」に名称変更

2019年に大和証券グループが株主となり「さつまゴルフリゾート(さつまGR)」に名称変更

2023年に韓国のショーゴルフが買収



さつまGRは、気候に恵まれた鹿児島県北薩摩のゴルフ場で、ホテルを併設している他、プール・テニス・卓球・ビリヤード・麻雀・カラオケといった大人から子供まで楽しめる滞在型リゾート施設である。


開業は1991年、この年は運悪くバブルが弾けた年であり、以来日本は経済が低迷し失われた30年が始まるのである。



ソウルの仁川空港からは鹿児島空港への直行便が出ている。


「さつまGR」までは鹿児島空港から送迎バスが出ている模様で、日本人に限らず韓国人もアクセスし易いのだろう。


「さつまGR」の口コミに、たまにハングル文字を見かけるが、おそらく韓国からゴルフをやりに来て感想を書いたと思われる。



ところで、今回のニュースはたまたまYahooニュースで見つけたのだが、発信元は韓国の中央日報である。


一部記事を抜粋すると、


ショーゴルフは4日、「日本100大企業の大和証券からさつまゴルフリゾートを買収した。さつまゴルフリゾートは国内企業が買収した日本ゴルフリゾートのうち最大規模で、サッカー場195個分の広さの125万平方メートルの敷地にゴルフ場とリゾートおよび各種付帯施設などが造成された大規模な複合ゴルフリゾート。ショーゴルフはさつまゴルフリゾートの全株を取得して運営の全権を確保し、直接運営する計画だ」と明らかにした。


とある。


そして、記事の最後には、


今回の日本ゴルフ場買収はショーゴルフの海外事業進出の「橋頭堡」で、2025年までに5カ所以上の日本国内ゴルフリゾート買収を計画している。


とある。



「おや?」と思ったのは、この「橋頭堡」という言葉である。


橋頭堡にはいくつかの意味があるが、敵地内に真っ先に確保される地域・拠点といった軍事用語に私には聞こえる。


何故なら、経営的に立ち行かなくなったゴルフ場を立て直すというよりは、日本のゴルフ場を次々に買収していくことが目的で、その拠点のような話ぶりだからである。


これでは折角差し伸べた友好的な救済の手が、日本の土地を買収してやったぜという敵対的な悪意の手と捉えられても仕方がない。



不動産事業を行うストレイトライド(TOKYOリスタイル)によると、殆ど制限なく外国人が土地を売買できる国は、世界のどこを見ても日本以外にないという。


そもそも外国人が土地を売買できない国もあるが、土地を売買できる国でも厳しい制限があるのが普通である…。


その制限が、日本にはない。


だから、買収目的で土地を買い漁られ、そこに例え悪意を感じても、私のように文句を言うことは原則できないのである。



ここが、一番の問題ではなかろうか。


どうやら、1994年に世界貿易機関(WTO)の「GATS」という協定で、日本だけが「外国人は無条件で土地取引ができる」という内容で署名してしまったというのだが、不可解この上ない。


そして、その協定を30年間引きずっていることも裏がありそうだが、何はともあれ諸外国のように規制を強化していかないと、日本でありながら文化や価値観が異なる場所が点から面に拡大してもおかしくない。


そうならないことを願うばかりだが、得てしてマスコミは国民が知るべきニュースは報道しないので、今回の買収劇を積極的に取り上げることはないだろう。


よって、表面化しない。


だから、問題に気づきもしない。


それもまた、問題である。