日本がPK戦の末あまりにあっけなく散ったことで魂が抜けてしまっていたが、今回のW杯はせめて最後まで見届けねばと思い、何とか自分を奮い立たせて観戦した。

 

スタジアムはモロッコサポーターの地響きのような野太い声がこだまし、完全にモロッコのホームであった。

 

この熱狂ぶりはチュニジアの試合でも見たもので、恐らくこれが北アフリカの国のサッカーに対する向き合い方なのだろう。またこれだけ熱いのは、相手がスペインということによる、地理的な関係性、前回大会の雪辱、そしてもちろん彼らにとってこれが初のベスト16の舞台ということも関係しているだろう。

 

そしてそのサポーターの期待に応えるかのように、モロッコは勇敢に、そして互角にスペインと渡り合っていた。

 

モロッコがすごいのは、そんな勇敢さだけでなく、確かな実力も兼ね備えていたところにある。

 

攻撃ではスペイン顔負けのテクニックでどんどん前へ繋いでいくし、守備ではフェアで絶妙なスライディングにより要所を食い止める。

 

グループステージの時からモロッコを見ておけばよかった。正直ここまで魅力的なチームだとは思っていなかった。

 

選手で言うと、ウイングのブファルが良かった。良かったという言葉では物足りないくらい、ドリブルのキレはエンバペに匹敵するのではと思うくらい衝撃的なレベルだった。

 

モロッコはこれだけの個を要し、かつ組織的に戦ってようやくスペインと互角なのである。それを考えると、やはり今の日本の個の力ではどれだけ集結させても安定して強豪国と渡り合うには限界があるだろう。個があっての組織だと強く認識させられてた。

 

試合はスペインがモロッコの堅守を崩しきれないままPK戦に突入したが、MFのアムラバトの勝利への執念を感じさせる力走を見ていると、どうしてもモロッコに勝ってほしくなる。また、ベスト8の顔ぶれを見る限りサプライズ感がないので、モロッコがくるとよりW杯は面白くなるだろう。

 

そしてその期待通りにモロッコが勝利した。しかもGKのボノは3本全てを止めてくれたが、それを見るとやはりPKは運ではないとより一層強く感じてしまう。

 

日本もモロッコと同じチャレンジャーの側として、勝利の可能性は十分にあった。そして彼らが勝利に沸いて喜びを爆発させているのを見ていると、昨日以上に悔しさがこみ上げてきた。