胸糞が悪い試合だった。
まずアルゼンチンのサポーターの大合唱に関して、何というか、南米特有のこびりつくようなねっとりとした声質が耳に障った。
そして試合内容。特に前半、塩試合になるとは想定していたが、ここまで消極的な展開になると、見る側をバカにしているのかと思ってしまう。W杯ではまだ耐えられるが、これをリーグ戦など日常のサッカーでやられるとさすがに見ていられないだろう。
主審のジャッジも良くなかった。前からこの主審は融通が利かない感じがしていたので、なぜ国際的に評価が高いのか疑問に思っていたが、改めて謎が深まった。何度も吹く笛の音もうるさかったし、こういった厳格で他者を跳ね除けるような態度は今の時代には合わない気がする。
そして何と言ってもリードした後のアルゼンチンである。
時間稼ぎで散々汚いプレーをして、いざそれが良くない方向に働くと、あたかも自分たちが被害者のように振る舞う。自己中にもほどがある気がする。ウルグアイやブラジルでも感じたが、こういった南米特有の自分たちを正統化しすぎるあまり平気で悪事を働いてしまう辺り、人間性を疑ってしまう。
ここまでアルゼンチンが醜いとオランダに勝ってほしかったが、オランダはオランダでやはり形で崩そうという意識が強すぎたように思う。
パワープレーから2点を追い付いたのは見事であったが、その姿勢を延長でも発揮してほしかった。なぜアルゼンチンをとことん苦しめていたパワープレーを放棄してしまったのか。そもそも身長で勝るという点で、パワープレーは明確に有利であり、オランダの武器となる歴とした戦術の1つではないだろうか。
結局オランダは優勝するに値しないチームだったと思う。上手くいけばスムーズに機能するが、上手くいかないとさっぱりになってしまう、意外性も面白さもない、ファン・ハール監督らしいロボットサッカーだった。
この試合唯一救いは、メッシのW杯がまだ終わらないことだろう。
アルゼンチンの全得点が示すように、彼が結果を出してこそ、チームは彼を信じて彼のために走ってくれる。彼の調子に左右される戦術だからこそ、彼が今のところ絶好調なのがここまで来れている要因ではないだろうか。
アルゼンチンがこのまま優勝すれば、間違いなくメッシがMVPとなり、メッシのW杯として人々の記憶に刻まれるだろう。