レンジャーズが数時間前にロスカウンティに引き分けて勝ち点を取りこぼしたため、セルティックはこの試合勝てばレンジャーズとの勝ち点差を2に縮めることができます。さらに次節はいよいよ直接対決なので、そこでも勝つことができれば今度は首位奪取と、今はリーグ戦において分岐点というべき重要な時期に突入しています。
スタメンは前の試合からほとんど変わりなし。両SBはスケールズ&ラルストン、テイラー&ユラノビッチのペアで交互に起用されているという状態ですね。
試合のハイライトです。
序盤からホームのセルティックが両サイドを軸に攻め立てるも、5バックのダンディーUの壁はなかなか厚かったですね。
左WGのフォレストは1vs1で外へ追い込まれた場合、普段の右サイドならまだ自分の形があるのでチャンスを作り切れるのですが、左サイドとなると苦しくなる印象です。元々クロスの精度は高い方ではないので、それが左サイドで利き足ではない左足で上げるとなるとより一層厳しかったと思います。これまでの2試合よりかはCFのジャコマキスへ良質なボールが届くシーンは少なかったですね。
27分、右サイドから内へ侵入したアバダがキレキレのドリブルで相手DFブッチャーを翻弄しシュートも、これはGKシーグリストがブロック。
32分、右サイドのそのアバダからのクロスにジャコマキスが前回のゴールとほぼ同様の形で合わせるも、これもシーグリストがブロック。
さらに40分にはフォレストのクロスにオライリーがPA内でフリーで合わせるも、シュートは惜しくもゴール右外へ。
このようにいくつもチャンスのあったセルティックでしたが、前半は無得点。特に40分のオライリーのシュートは最大のチャンスだっただけに決めておきたかったですね。オライリーはこの日がホームデビュー戦ということで、これを決めていれば周りからの評価や信頼をより得ることができた気がします。
ハーフタイム、セルティックはスケールズとフォレストを下げ、ユラノビッチとジョタを投入。左サイドを一新。さらに後半始まった段階から後半ロスタイムさながら、ほぼトップギアでダンディーU陣地へ攻め込んでいました。
得点が奪えないことに対する焦りもあったでしょうし、レンジャーズが引き分けてビックチャンスが訪れたというのも精神状態に影響していた気がします。ただジャコマキスを活かすのであればスケールズは残しておくべきであって、代えるならこの日あまり調子の良くなかったラルストンだったか気がします。
交代で入ったジョタですが、クオリティの高さは言わずもがな。彼にボールを集めて彼自身の間で勝負させるのはセルティックの1つの攻めのパターンであり、得点の可能性を感じさせるものでもありますが、それによりジャコマキスへ増々ボールが来なくなったというのも事実です。
例えジョタからクロスが上がっても、ほとんどはジャコマキスの頭の上を超えていきましたね。
ジャコマキスはせっかくここ2試合でゴールを決めて結果を残したというのに、また他の選手の陰に隠れてしまうのでしょうか。もしかしたら今の時代もう一人のCFに頼るという攻撃は時代遅れなのかもしれませんね。ましてやセルティックというリーグ上位のチームであって、残留を争う下位チームではないのでその戦術的傾向はより強いでしょう。
チームメイトからの信頼をイマイチ掴みとれないジャコマキス。
68分、旗手に代わりユースのMFベン・ドークがトップチームデビュー。ただラルストン→テイラーの交代も含め、ポステコグルー監督には交代に明確な狙いが感じられないのが気になります。もちろん全て理論立てて考えるのも違って、時には勝負勘に頼ることも大事かと思いますが、明確なパスサッカーを志しているであろうポステコグルー監督だからこそ、ほとんど試合で明確な意味のある交代がないのは不安です。
攻撃的なポジションをこなす期待の若手ベン・ドーク。まだ16歳。
ピッチを退いた旗手ですが、小柄なだけに相手の密集するゴール近くでボールを持つとすぐに潰されてしまうのが心配です。井手口も含め、フィジカルで劣る日本人がピッチの中央で今後輝けるのか気になるところです。
後半から猛攻を畳み掛けているセルティックですが、幾度もチャンスを逃し続けフラストレーションの溜まる一方でしたね。特に試合を通じて15回ほどあったCKを、一度も決められなかった、ましてや一度も味方に当てることができなかったのは大きな失望です。キッカーのオライリーはもう少し威力のあるボールを蹴っても良かったと思います。結果論ですが、CKになっても決まる予感はほとんどしませんでした。
またオライリーに関してCK以外では、視野の広さやパスセンスが感じられ、決定機を生むボールを出すことのできる選手というのは感じられました。しかし量、質共に充実しているセルティックの中盤にとって、必ずしも彼が必要とは思えません。タイプ的にもキャプテンのマクレガーで十分補えると思うので、なぜ獲得したのかは正直疑問です。
試合に戻りますと、81分にテイラーが自陣でボールを奪われたところ、ビトンがカバーに入ってうっかり相手を倒してしまい、2枚目のイエローカードを受け退場。ただ2枚とも味方のミスに自らが犠牲となりカードを食らったものなので、しょうがない気もします、テイラーに関しても、正直ボールを奪われたシーンは相手のファウルのような気がします。
レッドカードで退場のビトン。自己犠牲のできる立派な選手。
それにより10人になったセルティックはジャコマキスに代えてマッカーシーを投入。ただこの交代に関しても、ポステコグルー監督には疑問符が付きます。後半残り10分というところで今更チームのバランスを整える必要はないですし、攻めの形にしてもサイドからクロスを上げるという単純なものなので、むしろフィジカルのあるジャコマキスは必要だった気がします。
刻一刻と残り時間が過ぎストレスが充満するスタジアム。個人的にも監督の采配含め悲観的に、半ば諦めの気持ちで見ていたのですが、90分、右サイドに移ったジョタのクロスをアバダがゴール!!!
予想外でした。普段シュート時に焦りのあるアバダですが、このシーンはトラップ後落ち着いてシュートしましたね。この日当たっていたシーグリストの壁をついに破りました。こういった劇的な試合はヒーローが生まれる貴重な機会でもあると思うので、アバダにとってはこれが更なるレベルアップに繋がるといいですね。
ユニフォームを脱ぐアバダ。彼にとってこれまでのキャリアで一番嬉しいイエローカードでしょう。
試合はそのままセルティックが勝利。やはり試合終了後のスタジアムの熱気は普段の勝利より一層すごいですね。
そしてこの勝利は本当に大きなものです。これによりレンジャーズとの勝ち点差を見事2ポイントに詰めることに成功したので、次戦の直接対決に向け、引き分けの場合とは単なる勝ち点以上に、チームの勢いやモチベーションに良い影響を与えると思います。逆にレンジャーズは前節苦い形で勝ち点を失い、さらにセルティックが勢いがあるとなると、精神状態的にもセルティックより分が悪いはずです。
注目のオールドファームは2月3日(木曜日)午前4:45キックオフ。ここ数年では最も白熱の予感のある両チームの対戦な気がします。セルティックは今日の試合の退場で出場停止となってしまったビトンの代わりに、現在故障中のマクレガーが間に合うかどうかが気になるところです。
昨シーズンから存在するレンジャーズとの大きな実力差をセルティックは埋めることができたと信じています。恐らく今シーズン最も重要になるであろう大一番、一緒に応援しましょう!




