アルゼンチンにとっては今大会最も気を楽にして戦えた試合だったのではないだろうか。
一瞬の隙を突いて奪った前半の2得点は見事だった。特に2点目が大きく試合を左右した気がする。
クロアチアはこれまでの試合からして1失点は許容範囲だっただろうが、2失点目は明らかにダメージが大きかったように見えた。そして決められた時間帯もまずかった。
クロアチアはそれまで左サイドを中心に攻めていたが、左SBのソサの出来がいまひとつだっただけに右サイドをもっと使ってほしかった。右SBのユラノビッチが個人的にお気に入りというのもあるが、彼は前回のブラジル戦で良いプレーをして結果も残している。もっと彼の攻撃力を信用してあげてほしかった。
ただクロアチアの方が一人一人の個の能力ではアルゼンチンよりも勝っていたと思うので、やはり2大会連続でここまで勝ち上がってきたのは、確かな実力を持っていたという証拠だろう。体力的に2点を追い付く力が残っていなかったというのが悔やまれる。
アルゼンチンに関しては、後半受け身になったことで多少は侵入を許したが、DFの最後のラインまでは崩されていなかったように思う。それだけ余裕をもって、決勝へ力を温存して戦えていたのは大きい。
メッシが攻撃に専念してそれ以外の選手が彼の分まで走るというのはかなり時代遅れな気もするが、それでも結果的には今現在ブラジル、イングランド、スペインよりも上の順位にいる。
クラブレベルでは通用しない戦い方なのかもしれないが、それが通用するという辺りもW杯の魅力の1つだろう。見どころがプレーのレベルだけではないという点で、自分にとってはCLなどよりもW杯の方が合っているのかもしれない。
試合としては正直退屈なものだったが、今の時代はこういった中身のない試合内容に人々が慣れてきているような気がする。
10年程前は美しいサッカーが求められていたが、今は露骨に時間稼ぎとなるような戦い方をしても特には批判されず、勝利さえすればいいという風潮に変わってきている。それを人々は受け入れ始めているし、むしろそれがサッカーの元来の姿であると解釈してきているような気がする。
アルゼンチンが決勝進出ということで、こうなると決勝の相手は同じく熱狂的なサポーターをもつモロッコになると面白くなりそうだ。ただフランスが来てもW杯決勝の顔ぶれとしては相応しくなるので、どちらが来ても楽しめるだろう。