モロッコとしてはあまりに失点が早すぎた。

 

体力的に考えて、守備で耐え抜いてフランスが焦ってきたところを得意のカウンターで仕留める、もしくはPK戦にまで持ち込むというのを考えていただろうが、あの失点で全てが狂ってしまった。

 

ボールを持たされるとなかなか自分たちの持ち味を発揮できないスタイルだし、やはり疲労から個人と連携で共にキレが見られなかった。

 

しかしただ一人、MFのアムラバトは違った。

 

時間が経つにつれてモロッコの選手のプレーが雑になっていた中、彼だけは盛んに走り回っている。

 

いったいなぜ6試合目であそこまで走れるのかが謎だし、ボールを持ってのプレーも意外と上手かったりする。フィオレンティーナ所属だがもっと上のレベルにいてもいいと思うし、個人的には今大会で最も衝撃を受けた選手となった。

 

ただそんな彼でも、試合終了の笛が吹かれた瞬間はピッチに倒れ込んでしまった。

 

同点に追いつく展開を常に期待して見ていたが、ついにはそれは叶わなかった。結局モロッコはチーム全体として、勝利への執念はあってもそれに足が追いつかなかったように思う。

 

そんなモロッコの状態もあって、フランスの方は常に受け身で守る展開ではあったものの、落ち着いて守り切れていた。

 

その安定が試合から緊張感を奪ってしまい、正直見応えのない内容になってしまったのは残念だが、そういう戦い方をして勝利するのもフランスらしい。そういえば前回大会もこんな感じで無難に優勝を成し遂げてしまった気がする。

 

そして今日の試合は特にグリーズマンがよく効いていた。戦術的な細かい部分は分からないが、チャンスとなるシーンのきっかけは常に彼から始まっていたし、フランスの攻守を繋ぐ生命線として、唯一無二の存在ということを改めて証明した試合となったと思う。

 

さらに昨日のアルゼンチンと同様、フランスも決勝へ向けて体力を温存するような戦い方ができたのは大きい。

 

ただ個人的にはこのカードならアルゼンチンに優勝してもらって、メッシが有終の美を飾るのを見届けたい。さらにはゴールを決めて得点王、そしてMVPを受賞するエンディングならこの上ない。