先発メンバーを見たところ、両チーム3位にこだわっている感じはあった。

 

しかし早い時間帯での2ゴールや凡ミスの多さからして、どこかフワフワしている感じは否めなかった。スタジアムもピッチと観客席の距離が遠く、なかなか熱気が画面まで伝わってこなかった。

 

ただ疲労による影響も十分にあっただろう。特に後半に負傷者が相次いだモロッコからして、これが短期間で7試合戦うということの代償なのだろう。しかし試合のクオリティ自体は落ちてしまったものの、激闘という印象はより伝わってくるので、明日の決勝も同様に期待が持てそうだ。

 

下剋上を果たしてここまでたどり着いたように感じられる2チームだが、選手の顔ぶれを見るとお互いともビッグクラブでプレーしている選手が複数人いる。つまり元からここに来るだけの戦力はあったということなのだろう。そしてここが日本が見落としている点であり、どれだけ組織力を高めようが、ここまで来るにはまずは絶対的な個の力が不可欠なのだ。

 

特に両チームのGKのリバコビッチとブヌは今大会で特に名を上げた選手だろう。ただそれはGKがなかなか正当に評価しにくいポジションということの裏返しなのかもしれない。

 

今大会のその他のGKを見ても、オランダのノペルトは代表未経験ながら出場すればあっさりと活躍してしまうし、日本の権田も初戦のドイツ戦でPKを与えながらも、その後4連続セーブすればMOMに選ばれてしまった。

 

相手のシュートの精度に大きく左右される、レギュラーと控えの差があまりないポジションであるがゆえに、試合に出るという運をものにし、それを通じて知名度を得ることこそが、相手に与えるオーラとしてGKの持つべき一番の脅威になるのではないだろうか。

 

つまり今回のW杯という舞台はGKにとって自身の能力を上げる最大のチャンスであったはずだ。そしてリバコビッチやブヌはしっかりとそのチャンスをものにしたということなのだろう。

 

3位決定戦ではあったにせよ、あそこまで熱くなれるモロッコには感謝したい。特に後半に見応えがあったという点では準決勝の2つの試合よりも楽しく見ることができた。

 

ただ、モロッコは審判に強く当たり過ぎだろう。もう少しで手が出ていたし、さすがに限度を超えていた。

 

今の時代VARがあるため、自分の見た”真実”を訴えれば必ず受け入れてもらえるという確信があるのだろう。しかしそれで審判に対して見下すような傲慢な態度を取っているのは、心の底では人として軽蔑していそうで残念だった。

 

レグラギ監督も熱意が表に出過ぎていて、今のチームの勢いに身を委ね過ぎている感じがする。今回は大成功であったが、今後多少の困難が待ち受けていると考えると、それを乗り越えるだけの継続性が不足している気がする。悲観的ではあるが、正直4年後は期待できないだろう。