今季のリーグ戦で恐らく最も重要な一戦。セルティックは勝てばレンジャーズとの勝ち点差を6に広げてリーグ優勝へ向けてかなり前進することができますが、負ければ勝ち点差は0となり、優勝が怪しくなってきます。

 

FW古橋がついにトレーニングに復帰したようですが、この試合は残念ながらベンチ外です。ただCFのジャコマキスが好調なだけにそれほど深刻なダメージではないと思います。逆にレンジャーズの方が、CFモレロスがコロンビア代表での活動中に負傷して今季絶望との報道、さらに彼の代わりとなるCFもルーフの一択しかなく、メンバーのレベルの維持に苦労しているように思います。

 

セルティックのスタメンはここ最近の試合と比べて特に変化はなし。面子が固まってきた印象ですが、あまり調子の良くない選手、特に左サイドのテイラー旗手前田のレギュラー固定は少し不安です。

 

彼らが機能してなくてもここまでチームが勝ち続けてきたという事実が、チームの悪い部分を分かりにくくさせているというのもあると思います。これまで覆い隠されてきたそういった点が、一段レベルの上がるこの試合でどれだけ浮かび上がってくるかにも注目したいです。

そして試合のハイライトです。

 

 

開始わずか3分、左WGケントの突破からトップ下のラムジーがゴールを決め、レンジャーズがあっという間のリード。

 

開始からセルティックはレンジャーズに精度・勢いで圧倒されていたため、このままでは最終的には0-5くらいでの負けもあるのではないかと、かなり不安になりました。前述したような、国外の舞台で躍進するレンジャーズが内弁慶のセルティックに現実を突きつけるような、恐ろしい未来を予感しました。

ラムジーはレンジャーズのホーム、アイブロックスで初ゴール。

 

それでもその4分後、セルティックはレンジャーズのゴール前で畳み掛けのシュート、最後はロギッチが決めてすぐさま同点!!

 

レンジャーズの勢いを早い時間帯で遮ることができたのはかなり大きかったですね。ゴール後のロギッチが喜びを示さず無表情だったのは気になりますが、まだまだ気を緩めてはいけないという気持ちだったのではないでしょうか。

 

W杯予選の日本戦は欠場も、この試合出場のロギッチ

 

前半15分辺りからWGの前田ジョタがお互いのポジションを入れ替えましたね。誰の判断かは分かりませんが、個人的にはジョタはやはり左の方が輝くと思っているので賛成です。ただこの試合の途中でいきなり挑戦するならもっと以前の試合で試してみても良かったと思います。

 

試合としては両チーム自分たちのペースでボールを回すというよりも、攻守が目まぐるしく入れ替わる気の抜けない展開だったと思います。極端に言うならばカウンターの応酬、スピードに乗ってボールを持っても次に何をするかすぐに判断しなければいけないという中で、チームとして何を生み出せるかがカギだったと思います。そのためセルティックは前田が前半2度ほど裏に抜け出してGKマクレガーとの1vs1を迎えるなど、スピードがいつも以上に活きていました。やはりカウンターでこそ活きる選手です。

 

そして42分、ジョタのFKからゴール前での混戦の中、最後はCBカーター=ヴィッカースが左足でゴール、ついにセルティックが逆転!!!これも良い時間帯の中でのゴールでしたね。

 

ヴィッカースが逆転弾。守備でもレンジャーズ相手に鉄壁。

 

レンジャーズはもっと何かやってくれると思っていましたが、とうとう逆転されてしまいました。単純に個人のミスが多いのと、スピードに乗った状況では彼らの実力が十分に発揮できない気がします。普段の攻撃の軸である右SBのターバニアからのクロスが少ないので、セルティックのスピーディーなペースに惑わされず、落ち着いてボールを回し最終局面で彼にボールを集めれられれば、ターバニアとしても、チームとしても活きてくるのでないかと思います。

 

前半はそのまま1-2で終了。前田ジョタは前半のうちにポジションを戻してしまいましたが、ジョタには左WGでプレーしている間にゴールなどの結果を出して、そこでの良さをポステコグルー監督にアピールしてほしかったので残念です。

 

そして後半へと向かいますが、その前にGKハートの守るゴールに割れたガラスボトルの破片が散らばっているのが判明、後半開始が少し遅れます。プレーとは関係のないところで何かしらのトラブルが起きるあたり、さすがオールドファームです。表現の形はどうであれ、サポーターのこの試合に対する熱が伝わってきます。

 

 

後半の始めの方はお互いに攻撃のチャンスがありましたが、途中からはセルティックが防戦一方に。

 

レンジャーズはターバニアからのクロスが増えて攻撃する時間ができましたが、ここまで攻め込めるとなるとクロス以外にもう一つ工夫がほしいところです。

 

昨シーズンであれば逆のSBバリシッチからのクロスも脅威であり、例え右サイドのターバニアからのクロスが中央と合わず逆サイドへ流れても、そのボールをさらにバリシッチがクロスすることで両サイドから連続的に攻撃することができていました。しかし今は左SBのバシーがあまり高い位置をとってこないため、ターバニアからのクロスが流れた場合そこで攻撃は一端リセットされてしまい、レンジャーズは分厚く攻めることができなかったと思います。

 

ただバシーはCB寄りの選手でどちらかというと守備に上手さを発揮するタイプですし、彼を左SBで起用することで、超攻撃的で最前線にまで顔を出すターバニアとのバランスを保つという意味もあるので、レンジャーズとしては難しいところではあったと思います。それでもこの試合に関しては負けは絶対に許されなかったですし、途中から攻撃メインであったので、ベンチのバリシッチを途中から出してもよかったと思います。

 

セルティックも81分にカウンターから、途中出場のアバダが決定的なシュートを放ちますが、これは40歳のGKマクレガーが超人的な反応でセーブ。反射神経の良さという言葉では物足りない、彼のこれまでのキャリアの中でもベスト1のセービングではなかったでしょうか。スコット・ブラウンが恐らく選手としてのキャリアを終えた今、本当に激しかった頃のオールドファームを体現した選手は彼一人になってしまいました。彼が引退するときがスコットランドの一つの時代の終焉だと思います。

 

レンジャーズの生ける伝説マクレガー。引退はまだ未定。

 

ここでゴールできなかったのは痛かったですが、その後もセルティックがレンジャーズの猛攻を防ぎ切り、なんとか試合終了。大きな大きな勝ち点3を手にしました。

 

ここ最近のオールドファームはワンサイドゲームであったり、どこか熱が冷めていたりと物足りないものではあったので、久々に最後まで白熱した目の離せないオールドファームが見れてよかったです。

 

セルティックの選手については、決勝ゴールを決めたCBヴィッカースももちろん良かったですが、彼とペアを組むスターフェルトも、この試合ではいつも以上に相手への寄せが早く、削りも激しく、活躍していたと思います。

 

またCFのジャコマキスもゴールこそありませんでしたが、そもそも防戦一方で彼へのボールが少なかったのでしょうがないですし、攻撃以外でも懸命に守備を頑張っていたので十分な働きでした。

 

前田に関してはジャコマキス以上に、後半も無限のスタミナで守備に貢献してくれましたし、攻撃に関しても前半は裏へ抜け出して再三脅威となっていたので、この試合は大活躍だったと思います。ただ相手の裏のスペースができるこの試合だからこそ活躍したというのもあると思うので、今後もこの日と同等の活躍ができるかとなると難しいのではないでしょうか。

 

旗手に関しては相変わらずプレーが小さく、オールドファームのタフさについていけていなかったと思います。彼に代わって入ったビトンの方がはるかに勇敢で良いプレーをしていたと思うので、長期的な目で見れば旗手なのかもしれませんが、今現在のコンディションで言うならば、間違いなく今シーズンの残りの試合はビトンを使っていくべきだと思います。

 

 

次の試合は4月9日(土曜日)23:00キックオフのSTジョンストン戦です。

 

STジョンストンは現在残留争い真っ只中で恐らくこれが今シーズン最後の対戦となるので、彼らの戦いぶりを目に焼き付ける勢いで見ていきたいです。

 

セルティックは恐らく古橋がピッチへ戻ってくると思うので、ポステコグルー監督が現在好調のジャコマキスとどう併用していくのかに注目したいです。冬に加入した日本人3選手が苦戦している中で、改めてコンスタントに結果を残してきた古橋の実力はすごいと実感していますし、それを復帰後も継続できるのかも気になるところです。

 

リーグ戦残り6試合でレンジャーズとの勝ち点差が6になったのはかなり大きいです。今後もう一度あるレンジャーズとの対戦で負けたとしても勝ち点差はプラスで残すことができるので、それ以外の5試合で確実に勝ち点3を手にすることができるかどうかが重要になってくると思います。

 

大一番での逆転勝利、エース古橋の復帰と、完全に優勝へのシナリオは出来上がったので、あとはそれに沿っていくだけではないでしょうか。