リーグ戦での対戦からわずか2週間、今度は舞台をカップ戦に移してのオールドファームです。
セルティックは先日の試合で負傷したCFジャコマキスの代わりにアバダが右WGで出場。代わりにCFには普段左WGの前田が入り、その左WGにはジョタが入りました。
一方のレンジャーズは3日前にELでブラガと戦ったばかりでセルティックよりも日程的にハードですが、そんな中でもスタメンの入れ替えはほとんどなし。唯一、GKのマクレガーがベンチへ、代わりにマクロークリンが入ってきました。ただファン・ブロンクホルスト監督はマクレガーを信頼しているようですし、これは決して彼のレギュラー落ちというわけではなく、あくまでローテーション的な采配かと思われます。
またレンジャーズはブラガ戦でMOMに値する活躍を見せた左SBのバリシッチがこの試合でスタメン。前回のオールドファームでは彼が不在で左サイドからのクロスが物足りなかっただけに、今回のレンジャーズは前回の対戦時よりもレベルアップしている気がします。
主審は毎回微妙なジャッジで混乱を引き起こすマデンさん。見ない間にひげを蓄えましたね。
試合のハイライトです。
レンジャーズが左SBを改善してきた以外にも、セルティックはアバダでは前田を活かすことはできない気がしました。なので試合前の予想ではレンジャーズの方が有利かと思っていたのですが、始まってみればボールを持って優位に試合を進めているのはセルティックでした。
レンジャーズはこの日の11人なら積極的に行けば十分得点を奪えると思ったのですが、少し慎重に入った気がします。両SB(バリシッチ、ターバニア)のポジションを見る限り、チームの重心をやや低めに設定してきました。
セルティックはCFに入った前田が、持ち前のプレスで予想以上にレンジャーズ守備陣を混乱させていました。
31分、レンジャーズのCMFランドストラムがマクレガーを吹き飛ばす強烈なタックル。そのマクレガーですが、やはりセルティックの生え抜き、そしてキャプテンというだけあって、オールドファームでの戦い方というのを心得ている気がします。個人的には削られても強引に突進する、言わばラグビーのような前へのひたむきな姿勢が見たいので、本当の意味で勇敢なのは彼だけのよううに感じました。
セルティックの心臓マクレガー。個人的には今のところ彼が今季のチームMVPです。
レンジャーズの攻撃はあまり上手くいっていませんでしたが、正直セルティックの方も自分たちの理想の攻撃ができているかと言われると微妙だったと思います。
41分にランドストラムが左足で放ったシュートがポストを叩きましたが、前半のビッグチャンスはそれくらいだったでしょうか。両チーム不完全で互角のまま、前半は0-0で折り返します。
後半はセルティックが圧を強め、それをレンジャーズがファウルで必死に耐え忍ぶという展開。さらにセルティックは58分に古橋が途中出場。層の厚さという形で、レンジャーズをさらに追い詰めます。
そして64分、セルティックはFKから、マクレガーの絶妙なスルーパスに反応した左SBテイラーがシュート。レンジャーズCBバシーに当たって若干コースが変わりましたが、これが上手くゴール隅へ流れてセルティックがついに先制ゴール!!
テイラーにとってはセルティックに移籍して3年、公式戦ではようやく初ゴールです。彼も見事でしたが、やはりパスを出したマクレガーのセンスの高さが光りました。スタジアムに来ていたセルティックOBのグリフィスやティアニーも笑顔でゴールを祝います。
テイラーは念願の初ゴール。それもオールドファーム。
さらに69分にはCKからこぼれ球にヴィッカースが反応して近距離でシュート!!しかしこれは惜しくもクロスバーを直撃。蹴った瞬間入ったと思ったのですが、、、オールドファーム2戦続けてゴールとはなりませんでした。
それまでほぼ良いところのなかったレンジャーズですが、78分に右SBターバニアのクロスから途中出場のアーフィールドが決めて同点!
ターバニアからのクロスというのはレンジャーズの攻撃の基本的な形ですが、この日はそれまでセルティックにほぼ完璧に抑えられていましたし、味方同士でもあまり息が合っていなかったので機能していませんでした。アーフィールドのポジショニングは見事でしたが、正直何本もクロスを放てば運もついてくるという結果生じたものだと思います。
そのまま90分では決着がつかず延長戦に突入。相変わらず苦しんでいる旗手ですが、この日は相手(特にランドスラム)の寄せが早いために体格の面での苦戦が目立ちました。ここまで不調が続くとこれが本来の実力なのかと疑いが生じてきます。
厳しい寄せに大きな展開力。ランドストラムは魅力的なMF。
途中出場の古橋に関しても、セルティックの攻撃が人数を掛けない縦に早いものであるため、なかなか持ち味を活かせていない印象でした。フィジカルやスピードは特に際立ってはいないこと、そして味方との相性的に苦しかったですね。
そして延長後半の114分、レンジャーズが左SBにポジションを移したバシーのクロスから、途中出場のCFサカラが合わせてついに逆転。よく見るとセルティックのCBスターフェルトのオウンゴールですが、どちらにしろ防ぎ切れなかったですね。
痛恨のオウンゴール。PK戦も期待していたのですが、、、
その後はなんとかして追い付いきたいセルティックでしたが、負けている状況でも大きく蹴り出さずに後ろで小さい横パス、バックパスを繰り返す、悪しき癖が出てしまいました。
GKのハート、CBのヴィッカースとスターフェルトでは技術的に前へ運んでいくのは厳しいので、ポステコグルー監督も彼らにはそこまで要求しなくていいと思います。悪い言い方をすれば”諦めろ”ですが、そういう難しいことは、また夏にそれに合った選手を獲得してからでいいのではないでしょうか。
そして試合はそのままセルティックはチャンスを作り出せず、結局レンジャーズが2-1で勝利し、念願のスコティッシュカップ決勝進出。
先日のブラガの試合から2戦続けての延長戦、さらに選手層でもセルティックに劣るなか、レンジャーズはみんながよく走って本当に頑張っていたと思います。
ブラガに勝ってELでもついにベスト4まで到達していますし、レンジャーズにはこのままの勢いで何とかELを制してほしいところです。準決勝はライプツィヒ、決勝はフランクフルトかウェストハムと、今シーズンのELは超が付くビッグクラブがいないのでチャンスはあるのではないでしょうか。
不安は過酷な日程です。14年前も今シーズンと似たような状況で、結局力尽きて可能性のあったタイトルのほとんどを逃す羽目になっているので、そうならないようにスコットランドサッカー協会と協力して、少しでも日程を緩和してほしいところです。
そしてこの試合に数回あったランドストラムの厳しいタックルやスライディングに関して、それに対するマデン主審のノーカードの判定はいささか不可解ではありましたが、それでもセルティックはこれだけ有利な状況であったのであれば、この試合は負けてはいけなかったと思います。これでセルティックは国内3冠の夢が消えてしました。
スコットランドにも来季途中からVARの導入が決定。
後半に負傷したユラノビッチのケガの具合は心配ですが、それでもその控えには前半戦大活躍のラルストンがいるので、メンバー的にはそこまで痛くないと思います。
次の試合は4月24日(日曜日)キックオフ、ロスカウンティ戦です。
この日のレンジャーズに自分たちの攻撃は作れませんでしたが、リーグの他の相手なら問題なく通用します。この日の敗北のショックに飲まれず、リーグ1本へ向かって集中していってほしいですね。





