カップ戦を含め、今シーズンここまで2勝2敗のオールドファーム。この試合セルティックが勝てば残り3試合で勝ち点9差となり、事実上のリーグ優勝が決定します。

 

前節とスタメンが同じということで、ポステコグルー監督はこの日CFにジャコマキスではなく古橋を起用してきました。個人的には、前田vsターバニアラルストンvsケントのマッチアップが楽しみです。

 

一方のレンジャーズは3日前にELベスト4の1legライプツィヒ戦があったばかり。CMFでジャックの代わりにデイビスが入るなど多少の入れ替えはありましたが、主力は変わらずスタメンで出てきました。

試合のハイライトです。

 

 

 

序盤のレンジャーズは前回の対戦時と同様、セルティックの様子を探るような受け身の姿勢でしたね。旗手ランドストラムのマンマークに遭い完璧に封じられ、さらに奪われそこからレンジャーズにチャンスを作られるなど、セルティックにとって序盤の出来は決して良くなかったと思います。

 

それでも心なしでしょうか、ホームのサポーターの声援を受けているおかげかセルティックが有利に立っているように感じられました。セルティックに1つでも良いプレーがあれば拍手や歓声が湧き起こり、逆にレンジャーズに1つでも悪いプレーがあれば大きな声で罵るという、観客が試合の流れを作っているような感じで、ホームアドバンテージとはまさにこのことなんだと思います。

 

そして21分、サイドで上手くボールを受け抜け出した前田の左足クロスをジョタが合わせてセルティックが先制!!!前田のプレーが予想以上にスムーズで驚きましたが、このどちらが点を取ってもおかしくない流れの中で先制できたのは大きいと思います。

 

吠えるジョタ。リーグ戦2試合連続ゴール。

 

失点したレンジャーズですが、プレーは決して悪くなかったと思います。もう少し先制点を取る意識を強くしてもよかった気がしますが、それ以上にセルティックサポーターの彼らに対する圧が、レンジャーズをネガティブな方向へ持って行ったと思います。やはりセルティックパークは特別なスタジアムです。

 

先制後のセルティックはそれまで以上に優位に立ったと思います。最近はチームに戦術が浸透し完成度が増したことで、例えレンジャーズがボールを持っても、チーム全員の守備意識でボールを奪い取るシーンが頻繁に見られました。

 

特にCBのスターフェルトの守備は見事だったと思います。普段はあまり頼りがいのない選手ですが、前回のオールドファームでも活躍していました。つまりビルドアップの技術は微妙ですが、単純に守るということに関しては一流であるということ、特に1vs1には絶対の自信を感じます。

 

スターフェルトにはセルティック初ゴールも期待。

 

 

前半はそのセルティックの守備意識にレンジャーズがかなり手を焼いた印象で、レンジャーズの得点の可能性はかなり低かったと思います。逆にセルティックには先制後もさらに1、2点取るチャンスがあったので、点を許さなかったというよりは追加点のチャンスを逃したという言い方の方が正しいでしょうか。

 

 

後半もセルティックのペース。61分には古橋に代わりジャコマキスが登場。交代時のサポーターの歓声も以前より大きくなっている気がします。ジャコマキスは自分のゴールだけでなく、味方のゴールに対しても全力で喜んでくれるいい奴だと思うので、このように最近サポーターから認められ始めたのは、個人的にも嬉しいです。

 

セルティックの守備陣の悪しき癖として、どんなに相手が寄せてきてボールキープが苦しくなっても無理やり繋ごうとするというところがあるのですが、この試合では普段とは意識を変えたのか、ジャコマキス目掛けてシンプルにクリアするシーンが多かったように思います。そしてそのボールをジャコマキスがフィジカルの強さを活かして見事に収め、その後のチャンスへと繋げられていました。

 

しかし67分、レンジャーズが見事なパス交換から、最後はCFサカラが決めて同点。パスワークも見事でしたが、サカラのシュートも物凄い切れ味とコースでしたね。これに関してはレンジャーズの攻撃全てが完璧だったと思います。

 

サカラのシュート。ハートでも止められなければ仕方なし。

 

このゴールでセルティックパークは一気に静まりました。そしてレンジャーズに逆転の勢いが生まれました。

 

86分、再びサカラが裏へ抜けてシュートを放ちますが、これはポスト直撃。サカラはスピードが武器の選手ですが、意外とフィジカルもあり、ヴィッカースに寄せられても全く体勢が崩れなかったのは驚きました。

 

レンジャーズが同点に追いついてから20分ほどは、両チーム疲労の影響か全体が間延びしており、それぞれに同じ分のチャンスがありました。しかし両チームともそのチャンスを活かしきれず、結局1-1の引き分けでタイムアップ。今季は通算2勝2敗1分けと、今シーズンを象徴するような、まったくの五分五分の成績となりました。

 

 

この試合で気になったことですが、まずは相変わらず絶不調の旗手について、ポステコグルー監督はいつまで彼を信じるのでしょうか。ボールタッチだけでなくポジショニングも中途半端でよくないですし、これ以上彼をスタメンで起用するとなると、ポステコグルー監督が本気でその試合で勝ちにいっているのか疑いたくなります。

 

もちろんこの試合でも感じたように、ポステコグルー監督の戦術は日に日にチームに浸透し強力になってきていますが、旗手古橋を見ると、スコットランドで戦うならどうしてもある程度のフィジカルは必要であるように思います。なのでセルティックは今夏、ポステコグルー監督の理想に合ったプレースタイルをもっていて、なおかつフィジカルにも優れた選手を獲得する必要があるのではないでしょうか。

 

 

この試合の結果、セルティックはレンジャーズとの勝ち点差を6に維持したまま、残り3試を戦うことになりました。この試合負けなかったことが大きかったですし、仮に負けたとしても、残りの対戦相手のことを考えれば問題なく1位でフィニッシュできると思います。

 

そしてレンジャーズに関しては、正直この日の試合よりも、6日(金曜日)のライプツィヒとの2legの方が重要度が高いでしょう。前回の1legは0-1で惜しくも負けてしまいましたが、終盤までよく健闘し、2legでの逆転突破の可能性を感じさせました。ただ、この試合を見ても感じたことですが、中盤から後ろの戦力は十分なのに対し、それより前の選手の個の能力がどうしても物足りない気がします。

 

組織で崩すには限界があるので、エースのモレロスがケガで今季絶望なのは痛いところですが、左WGケントにあと少し最終局面でのプレー精度がほしいところです。この試合のレンジャーズは過密日程にも関わらず交代枠を残してタイムアップしており、ベンチを見ても戦える選手というのは数える程なので、そもそも戦前から選手の総合値でセルティックが有利だったと思います。

 

それならばセルティックはこの試合引き分けでなく勝利する必要があったと思いますし、今夏にレンジャーズがFWに強力な選手を補強してくるならば、来季の彼らは昨季のような圧倒的な強さでリーグを制するかもしれません。

 

セルティックの次の試合は7日(土曜日)20:00キックオフのハーツ戦。セルティックが勝利しレンジャーズが引き分け以下ならばセルティックのリーグ優勝となる重要な一戦。セルティックのホームですし、ぜひここで優勝を決めたいですね。

 

 

話は変わりますが、先日、スコットランドプロサッカー選手協会(SPFA)による今シーズンの各賞の受賞者が発表されました。この賞は名前の通り、現役選手の投票によって決定されるものです。

 

まずはベストイレブン。昨シーズンはセルティックとレンジャーズの2クラブからしか選ばれなかった分、今シーズンの方がリーグ全体のにぎわいが感じられ、個人的には嬉しいです。

左から、ハーツのGKゴードン、セルティックのCBヴィッカース、レンジャーズのSBターバニア、セルティックのSBユラノビッチ、ハーツのCBソウター、セルティックのCMFマクレガー、ロス・カウンティのWGチャールズ=クック、セルティックのOMFロギッチ、レンジャーズのCFモレロス、セルティックのWGジョタ、セルティックのCF古橋
 

年間最優秀監督賞にはポステコグルー監督が選出。現時点で首位のチームの指揮官として妥当な選出だと思います。

 

続いて年間最優秀若手選手賞には右WGのアバダが選出。今季リーグ戦ここまで10得点9アシストは受賞するのに十分な結果だと思いますが、正直プレー自体はチームに活かしてもらっているという感じで、そこまで突出していなかったと思います。他の候補者を見ても、アバディーンのDFラムジー、MFバロン、ハイバーニアンのDFドイグと、今季はそこまで豊作ではなかった印象です。

 

そして年間最優秀選手賞ですが、これはキャプテンのMFマクレガーが受賞しました。この日の試合でも感じたことですが、セルティックの戦術は彼の能力があってこそ機能するものです。この結果は個人的にも納得で、文句なしだと思います。逆に他の候補者はハーツのGKゴードン、ロス・カウンティのFWチャールズ=クック、そしてMFロギッチと、これはマクレガーしか選択肢がないようなものだと思います。古橋ジョタも活躍度ならばこの賞に相応しいですが、やはり2、3か月離脱すると厳しいですね。個人的にはDFのヴィッカースも候補に入る資格があったと思いますし、どうせならロギッチよりも相応しいと思います。

 

そのロギッチは、その代わりといっては何ですが年間最優秀ゴール賞を受賞しました。アウェイでのダンディー・ユナイテッド戦、ドリブルで相手を3、4人スルスルッかわして決めた、まさにロギッチにしかできない圧巻のゴールだったと思います。ちなみにセルティックのチーム内での表彰で選出された年間ベストゴールは、古橋のリーグカップ決勝ハイバーニアン戦でのループ弾でした。

 

 

今シーズンの終わりが漂い始め若干寂しいですが、あとは一番のビッグイベントであるリーグ優勝を味わい尽くしたいと思います。