取材を受けること | 義足ゴルファー 新・アスリートへの道

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義足ゴルファーのマコが試行錯誤しながらアスリートを目指す日々を徒然なるままに綴る日記
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障害者ゴルフの試合に出るようになってから取材を受けるようになりました。
この活動を認知、普及させる上でメディアの取材というのはとても重要です。
その重要性を分かっているので、ぼくは積極的に取材を受けるようにしているし、
どういう話をしたら、見た人の心に響くか、障害を持った人が、よし、おれもやってみようとか、がんばってみようと思ってもらえるのか、そういうことまで考えています。

しかし、この取材を受けることというのは、自分が障害者であることを公にすることでもあります。
普段は、ぱっと見はちょっと足の悪い人程度だし、特に聞かれなければ、いちいち自分は義足で障害者なんですよとかは言いません。
なので、こうした報道を見て、知人や会社の同僚から知らなかったよ、なんて言われることもあります。

そんなふうに知られることについては、今は特に何とも思わないませんが、子供の頃は、自分が義足であること、障害者であることを知られるのが嫌でした。怖かったと言ってもいいかもしれません。
なので、その時の自分からしたら、テレビの取材を受けるなんて信じられないと思います(笑)

自分の身体について知られることが怖かったのは、自分が義足であると知った人の態度ががらっと変わって悲しい思いをしたことがあったからかもしれません。
いや、たぶんそれは、自分自身が自分のそういう現実を受け入れることができずに、その経験でより自分は不幸であるという「不幸の意識」を強めてしまったからなのでしょう。

自分も子供だったし、周りの皆も若かったから、まあ仕方が無かったことなのだろうけど。

そういうことを思い出すと、今自分が、義足を晒してゴルフをしたり、取材を受けたり、それこそブログ書いたりしていることって言うのは、不思議というか面白いなと思ったりします。

ただこれも、自分がゴルフに出会い、ゴルフを通じて素敵な仲間達と出会えることができ、そんな仲間と素晴らしい経験が出来たこと。そして、自分が経験したことをもっと多くの人に経験してもらいたいって思えるようになったからなわけで、そういう意味でゴルフに出会えたことは障害を持つ自分への自分自身の気持ちまで変えてくれたようです。

こうしたマインドの変化は、僕に素敵なgiftを届けてくれています。

先日、ある友人から、4~5年前にテレビに出たことがありませんか?と尋ねられました。
大会などでテレビ取材を受けたことは何度もあるので、あるかもしれませんねって答えたら、朝のニュースに障害者ゴルファーが出ていて、その人のコメントが、その友人にパワーを与えたというのです。で、そこでコメントしていはたぶん僕じゃないかと。その当時、友人はひどく落ち込んでいたらしいのですが、そのコメントを聞いて涙が出て、人生が変わったと言います。僕と出会ったときから、その障害者ゴルファーは、僕だったんじゃないかと思ってたらしく、いつかお礼が言いたかったんですとまで言ってくれました。

このゴルファーは、もしかしたら僕じゃなかったかもしれません。でも、僕が障害者でゴルフをやっているってことを友人が知らなければ、友人も僕にそうした話はしなかったでしょう。

この話を聞いて、とても嬉しく暖かい気持ちになりました。自分がこうして生きて活動していることが、誰かの人生にいい影響を与えることができているのかもしれないと。

自分の存在がだれかのためになっていることを実感できるなんて、そうそうないと思います。
だから、僕はとても幸せ者なんだなあって思います。

なので僕はこれからもどんどん取材を受けて行こうと思うのです。