読書感想&レビュー。

フォーチュナ発行「占星術完全ガイド」ケヴィンパーク著 伊泉龍一訳

 

 

少し前にお星さまネット巡回をしていて情報源を失念しましたが、良い記事を書いてらっしゃる占星術家さんがこちらの「占星術 完全ガイド」(ケヴィンパーク著 伊泉龍一訳)を案内されていたので、私にはまだ知らない技法や歴史が多々ありますが、それらへの出会いを偶然と他人アテにしておくのもちょっとなと思って、何かインデックス役をするものが欲しかった。そのために入手してみました。ワードとざっくりとした概念だけでも書いてあれば、

 

とりあえず一番最初にお礼を言いたいのはこの本の軽さ。内容と関係ない部分で恐縮ですが、今、カフェにこの本を持ち込んでパソコンとあれとこれとこの本と…みたいなことになってますが、正直、リモートワークが普及した今年、私は住宅地近辺で机探しの小旅行状態になる。ハードカバー4〜5cm厚の本をこの重量に納められる製造工程に感謝。

 

筆致が私には読みやすいです。THE教科書は難しいけど、内容軽すぎる本はキビシイと感じる層にはおすすめ。

「古典的技法から現代的解釈まで」というサブタイトルがついている通り、これはこうです、3ハウスはこの意味です、ではなくて、話に所々「昔はこういう意見があったけど今はこんな方向性」みたいに、生きものとしての占星術をチラチラ話が盛り込んであるのが良き点。

一番初めに手に取る占星術本がこれという方はあまりいないと思いますが、ある程度現代占星術で今一般的になんと言われているか、読み解き方法に古典という別スタイルがあるのを頭の片隅で少し理解していないと、その言い回し部分には「???」とは思うかも。

基本的にはルールの厳しく結果やアスペクトやハウスに吉凶、白黒つけるために読むのが古典の占星術スタイルで、それを脱却してリスク解釈領域を再度考慮されたものが現代占星術。概ね、現代の占星術師は「可能な限りマイナスに決め込まないことで夢を作っていくことを選んだ」というのが私の時代の変遷解釈です。

 

ハウスシステムについても適正量で丁寧な印象です。あと地域による言い回し解説がついているのが私はとても助かります。西洋占星術の難解さの一つに同じことを指し示すのに歴史が長すぎて&他国に渡りすぎて、同じ表現にいくつも言葉があるのが小面倒な部分。「ライツ」だって「ルミナリー」派もいますし、国内ではどっちも採用しない派の占星術家もいます。

一部抜粋させていただくと、POFと言えばパートオブフォーチュンですが、別名「フォルトゥーナ」、アラビックパーツのことをギリシャでは「ロット」と表現。まだ英文の占星術用語が一発で的を得た訳文に到ることはありませんし、それ以外の言語についてはそれ以上に通じることは少なめ。

ダイアーナル、ノクターナルなんかも、見てそのまんま「上半分」と「下半分」でいいじゃろ感ある。もしくは「昼」と「夜」でも通じる。(元々その意味だと思うけど)…なんですが、用語は聞いたことある程度でも知ってると以後の学びに混乱を防ぎます。ローカル表現できても外界と通じなければ理解に問題はあるし、自分の発信も届く範囲に限界はある。

 

これらの解説を読むと、私にはあれやってみたいな、これ確認してみたいな、がぽんぽん湧いてくるのですけれど、1人で毎日Chartをみていると慣れた見どころだけ見てしまって着目すること忘れているポイントがあります。それを目線変えて見るのにも役立つ本だと思います。

ネットがいくら情報増えても検索かけるのは自分。検索かけて能動的に話をピックアップする限りなんらかのブログがヒットして別の世界を見せてくれることがありますが、実は調べものに迅速にヒットするのも助かりますが、その過程での副産物の方が私の世界を豊かにしています。

 

その、星の寄り道気分で読める本です。