Mental Coach for Classical Musician :: (9月8日から http://mc4cm.blog.fc2.com に引越しています) -58ページ目

Mental Coach for Classical Musician :: (9月8日から http://mc4cm.blog.fc2.com に引越しています)

音楽家のためのメンタルスキルを考えるブログ。メインテーマは『メンタルスキルをどのように活用すれば、本番で最善の演奏に導けるか』です。

“そもそも、芸術作品というのは、心の動揺でできている、とは言えないだろうか?憧れの人のひとことに揺れ動く気持ち。美しい景色を見たときの感動。理不尽な仕打ちをされたときの激しい怒り。ものごとがうまく運ばないのではないかという不安、恐れ。体操選手なら、そうした心の動きを全部封印して完璧な演技にそなえることができる。しかし、演奏家はそうはいかない。傷つきやすく、もろい作曲家の心理にはいりこみ、ともに悩み、ともに泣き、ともに喜ぶ。それが、演奏するということではないだろうか?現在流れている音楽に対して心を閉ざし、頭のなかでは楽譜をめくり、意識は筋肉と対話して運動面だけを追っていくなら、もしかしたらノーミスで弾けるかもしれないけれど。”

--- 青柳いづみこ 『ピアニストは指先で考える』p. 286. 中央公論新社 (2007)



目の前の音楽から心を切り離し、身体運動のみに集中して弾いたノーミス演奏というのは、演奏家の心理はすでに切り離しているので横に置いたとしても、その時の聴衆の心理はどのようなものになるのでしょうか。


その瞬間のコミュニケーションの質が答えになるような気がします。


時代性や聴衆側の価値観も反映されますが、私が聴衆なら、今のコンペティションで若い才能の差別化を図るという音楽商業主義の匂いを嗅ぎ付けるでしょう。


また、メンタルコーチとしての私としては、音楽に対する自分の内発的な喜びや動機を完全無視して演奏したその音楽家のメンタルがとても気になります。。。


ピアニストは指先で考える/青柳 いづみこ

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