--- カンディド・ボンヴィチーニ 『ルチャーノ・パヴァロッティ』 p. 106. 音楽之友社 (1993)
芸術は競争ではないわけですので、「誰も押しのけない」はずです。
もし、「そんなわけはない。オペラでは役を掴み取るために他の歌手と競争している」と言う人は、そういうことが仮に現場ではあったとしても、音楽の本質とは遠いところで労力を費していることになります。
メンタルトレーニング理論におけるゴールセッティングに、SMART原則というものがあります。
Specific (具体的)
Measurable (計測可能)
Achievable (達成可能)
Realistic (現実的)
Time-phased (期間設定)
この5原則は、スポーツでも、ビジネスでも、音楽でも、同じように目標設定に活用できますが、その分野の本質を見誤ってこの原則を使うと本末転倒なことに自分を導いてしまいます。
例えば、上のように、音楽という芸術の世界で「誰かを押しのけよう」とすることや、スポーツの世界でレギュラー争いを避けようとすることなどです。
ここでのパヴァロッティの言葉は、自分がずっと肝に命じてきた考え方が、音楽の本質と何らズレるところがなかった(と自覚できている)ことが重要だと言っているのだと思います。
そのような強い自負が「ぼくの方がお客さんを好いている」と言える強靭な精神力の土台となっているような気がします。
「ぼくの方がお客さんを好いている」。
私には、そう思おうとして言ってるようには聞こえません。本当にそう思っている(潜在意識まで入っている)から、言っていると思います。
これはなかなか言えないことだと思いません?
あのパヴァロッティの声。。。潜在意識まで考え方を浸透させることができたお手本かもしれませんね。
ルチャーノ・パヴァロッティ―友人が語るその素顔/カンディド ボンヴィチーニ

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