Mental Coach for Classical Musician :: (9月8日から http://mc4cm.blog.fc2.com に引越しています) -53ページ目

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音楽家のためのメンタルスキルを考えるブログ。メインテーマは『メンタルスキルをどのように活用すれば、本番で最善の演奏に導けるか』です。

7月18日、NYのマネス音楽院に、海老彰子さんのコンサートに行ってきました。

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私、彼女のこと、好きです。。。


いきなり、愛の告白をさせてもらいましたが、このマネス音楽院の夏の音楽祭で彼女の演奏を聴いて3年目、好き、を再確認しました!


人柄が良さそうで(話したこともないので実際のところは分かりませんが)、特に、舞台に出て来るところなんか(メンタルコーチとしては最も目を光らせているところの一つ)、「はぁぁぁ、今から大変なことやりますよぉぉぉ。でも頑張りますよぉぉぉ。」みたいな雰囲気が私には毎回感じられて、その段階ですでに「音楽の楽しみ」を海老さんと共有しているかのような感じを持つのです。


その上で、あの気合いの入った深~い音でしょう?フレーズでしょう?イリュージョンでしょう?好きにならない方がおかしいと思います!


といって、「愛の告白」だけでこの「メンタルコーチのコンサートレビュー」を終わらせたらいけないと思うので、一応!メンタル的な観点からのことを書きたいと思います。


今回、感じたことは(というか、海老さんの毎年の演奏で感じていることなんですが)、「ディレクション」についてです。


海老さんの身体の使い方は非常に上手く、しなやかで柔らかい上に力強いもので、その身体の使い方がまさしく音の使い方として現れていると思います。


身体と音のつながりということに関して、無駄な部分が一切無い印象を受けます。


最近、マイブーム(死語?)的なものとして、演奏のための意識と潜在意識(潜在能力)の関係を考えているのですが、演奏家としては、自分の意識で自分の潜在能力を発揮したいわけです。


意識で無意識の巨大な力を引き出す。それが、音楽やスポーツのパフォーマーのためのメンタルトレーニングとして究極の目標です。


どうすればいいのか。それについて今回の海老さんの演奏から感じたのが、「ディレクション」がブレないこと。ミスがあっても、です。


演奏時のリズム感やバネなど考えると、海老さんはおそらく元々身体能力が高い素質を持った人だと思われるのですが、後天的に練習で培われているということも大いにあるでしょう。


海老さんの演奏を見ていると、意識と身体をつなぐディレクションを海老さん自身がかなり正確に把握していて、個々の音楽が要求するダイナミクスにその自分の「ディレクション内」で対応しようとしていると感じられるのです。


とてつもない重く大きな音の後のピアニッシモといった大きな変化や、「力強いピアニッシモ」を保ったままのレガートなど技術的表現的に難しい箇所で、その「ディレクション」から決してはみ出さず、逆にその「ディレクション」を使って克服して行くといった印象を受けました。


そして、こういうところに日々の練習でメンタル的に考えるべきことが現れているのではないかと。


この意識と身体をつなぐディレクションを、練習と本番の繰り返しの中、自分で納得する形で確立することが、難曲を克服することにつながり、また本番に向けた自信の構築、ひいては「ゾーンに入る」ような潜在能力の発揮にもつながるのかもしれません。