--- 小澤征爾・武満徹 『音楽』 p. 81. 新潮文庫 (1984)
世間で、音楽をしない人たちから見た音楽と、音楽を仕事にしている(しようとしている)人たちから見た音楽は意味合いが大きく違いますよね。
世の中からすると、音楽は無くても生きてはいけます。いわば贅沢品です。でも、音楽家という生き物は、音楽が無いと生きていけない人たちです。
今、通常のクラシック音楽はシーズンオフで(音楽祭とかはありますけど)、ここNYも、コンサートやオペラ、音大の本格的なスタートは9月からですので、今は聴きにいける生のクラシック音楽がそんなにありません。。。
私は、音楽の栄養失調で死んでしまいそうです。。。って冗談ですが、禁断症状くらいは気付かないうちに出ているかもしれません(笑)。
だから、CDやDVDで「素晴らしい音楽」を聴くようにしています。が、やっぱり生の音には絶対かなわない、ですよね。
武満徹氏の言葉は、メンタルトレーニングでいうところの、ゴールセッティング(目標設定) をする前に考えるべきことを思い出させてくれます。
スポーツメンタルトレーニング指導士の中には、これを、個々が必ず持たなければならない「スポーツ哲学」と言う人もいるくらいで、後に続くゴールセッティングの質を決定してしまうので大切なものです。
哲学というくらいですから、容易に変わるような考えではないはずですよね。
スポーツの本質や「なぜそのスポーツをするのか」という部分を自分でしっかり押さえておかないと、ゴールセッティングで間違った方向に自分を持っていくことになったり、そこまでいかなくても、設定目標が具体性を欠いたり、本当は目標に納得しておらずコロコロ変えたり、目標の質が落ちて設定効果が弱くなってしまいます。
音楽でも同じことが言えるのではないでしょうか。
ゴールセッティングの手法では、まず「自分の葬式」をイメージして、家族や友人にそこで自分のことをどのように言ってもらいたいかを考えることから始めるやり方もありますが、この「スポーツ哲学」や「音楽哲学」を熟考することは、その葬式に例えると、いわば自分にとって大切な人に宛てる「遺書」みたいなものになるのでしょうか。
音楽 新潮文庫/小澤 征爾

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