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Mental Coach for Classical Musician :: (9月8日から http://mc4cm.blog.fc2.com に引越しています)

音楽家のためのメンタルスキルを考えるブログ。メインテーマは『メンタルスキルをどのように活用すれば、本番で最善の演奏に導けるか』です。

"死は (まともに考えれば) ぼくらの生の真の最終目標ですから、ぼくは数年このかた、この人間の真の最上の友にとても馴れ親しんでしまいました。そのため、死の姿はぼくにとって少しも恐ろしいものではなく、むしろ多くの安らぎと慰めを与えるものとなっています!そして、神が死こそぼくらの真の幸福の鍵だと知る機会を (おわかりですね) 与えてくれたことに感謝しています。
ぼくは (まだこんなに若いのに) 毎晩、床につくとき、もしかして明日はもうこの世にはいないのではないかと考えないときはありません。"


--- 高橋英郎 『モーツァルトの手紙』 p. 367-368. 小学館 (2007)



モーツァルトは、死について

「生の真の最終目標」
「人間の真の最上の友」
「多くの安らぎと慰めを与えるもの」
「ぼくらの真の幸福の鍵」

と言っています。。。


バレンボイムといい、ミケランジェリといい、モーツァルトといい、これだけ一流の音楽家が「死」について語っているならば、(意識主導で、無意識の概念は含まない) 認知行動理論生まれ、欧米スポーツ界育ちのメンタルトレーニングですけれども、音楽家のためのその理論と実践には「死の概念」を取り入れざるを得ませんね。


スポーツでこれをやったら?野球なら、「死の概念」を考えている間に三振?効果無し?それこそすぐ死んでしまいますかね!(笑)


「死の概念」とは何でしょう。


メンタルトレーニングの観点から考えると、無意識や潜在意識と言われる意識下の心だと思います。一方「生の概念」は意識ではないかと。


この認知行動理論生まれのメンタルトレーニングは、敵が目の前に明確に存在するスポーツにおいて無意識は不要であり、除外しようとします。


認知(意識) して行動するのであって、認知なし(無意識) では行動しません。スピリチュアルでは勝負に勝てないという考えです。


しかし、スポーツのプレーでも (もちろん音楽でも!)「ゾーンに入る」と言われる素晴らしい瞬間があります。


「ゾーン」とは「意識」が非常にクリアでポジティブであり、次に自分は上手くいくことを既に知っているような感覚です。


私は高校の時、野球の打席でそれを体感したことを覚えていますが、「あぁ、次、良い打球を打てるなぁ」と確信していて、後は敷かれた道に乗って「何か」に従っていれば自動的にその結果に至ると何となく分かっていました。そして実際そうなりました。


音楽家の皆さんも、本番で「何か (神の手?)」に導かれているような経験ってありませんか (その時の感覚は皆違うと思いますけど)。


この「何か」というのは、無意識や潜在意識のことだと私は思うのですが、もしそうならば、スポーツでもメンタルトレーニングを活用して「ゾーンに入る」ことを期待する限り、「無意識」の存在を完全には否定できないのかもしれません。


そう考えると、スポーツ育ちのメンタルトレーニングですが、スポーツと音楽とでは実は切り口が違うだけで目指す先は同じなのかもしれませんね。


ここでモーツァルトが死について語ったことは、演奏が上手くなるためや実力発揮のために私たちに遺した「無意識や潜在意識」の活用指針!!!みたいなものではないでしょうか???


実は、「死(潜在意識) は最上の友で幸運の鍵」と本気で思えるための努力が、音楽家が「ゾーンに入る」鍵だったりして???


モーツァルトの手紙/高橋 英郎

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