法律を科学する!理系弁護士三平聡史←みずほ中央法律事務所代表 -7ページ目

法律を科学する!理系弁護士三平聡史←みずほ中央法律事務所代表

大学では資源工学科で熱力学などを学んでいました。
科学的分析で法律問題を解決!
多くのデータ(事情)収集→仮説定立(法的主張構成)→実証(立証)→定理化(判決)
※このブログはほぼ法的分析オウンリー。雑談はツイッタ(→方向)にて。

Q 借地のうち,法定更新の適用がないという例外的な扱いは,どのようなものがありますか。

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A 数種類の「定期借地」と「建物買取特約付借地」が例外として規定されています。

【借地;法定更新の適用がない例外的形態】
Q借地のうち,法定更新の適用がないという例外的な扱いは,どのようなものがありますか。

A数種類の「定期借地」と「建物買取特約付借地」が例外として規定されています。

借地借家法の適用のある借地については,原則的に法定更新などの借地人保護規定が適用されます(借地借家法5条)。
これは強い「保護」です。
このルールを排除する特約は無効とされます(強行法規;借地借家法9条)。

しかし,借地借家法上,例外が規定されています。
一定の要件を満たすことを前提に,法定更新や建物再築時の期間延長,建物買取請求権などが適用されないことになります。

<借地借家法上の法定更新の適用がない借地>
・(狭義の)定期借地;22条
 →「一般定期借地」と呼ぶこともあります。
 →存続期間50年~
・事業用定期借地等(23条)
 ・事業用定期借地(同条1項)
  →存続期間30~50年;法定更新排除は任意的
 ・事業用借地(同条2項)
  →存続期間10~30年;法定更新排除は自動的
・建物譲渡特約付借地(24条)
 →存続期間30年~

[借地借家法]
(借地契約の更新請求等)
第五条  借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、前条の規定によるもののほか、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときは、この限りでない。
2  借地権の存続期間が満了した後、借地権者が土地の使用を継続するときも、建物がある場合に限り、前項と同様とする。
3  転借地権が設定されている場合においては、転借地権者がする土地の使用の継続を借地権者がする土地の使用の継続とみなして、借地権者と借地権設定者との間について前項の規定を適用する。

(強行規定)
第九条  この節の規定に反する特約で借地権者に不利なものは、無効とする。

(定期借地権)
第二十二条  存続期間を五十年以上として借地権を設定する場合においては、第九条及び第十六条の規定にかかわらず、契約の更新(更新の請求及び土地の使用の継続によるものを含む。次条第一項において同じ。)及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第十三条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。この場合においては、その特約は、公正証書による等書面によってしなければならない。

(事業用定期借地権等)
第二十三条  専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。次項において同じ。)の所有を目的とし、かつ、存続期間を三十年以上五十年未満として借地権を設定する場合においては、第九条及び第十六条の規定にかかわらず、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第十三条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。
2  専ら事業の用に供する建物の所有を目的とし、かつ、存続期間を十年以上三十年未満として借地権を設定する場合には、第三条から第八条まで、第十三条及び第十八条の規定は、適用しない。
3  前二項に規定する借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によってしなければならない。

(建物譲渡特約付借地権)
第二十四条  借地権を設定する場合(前条第二項に規定する借地権を設定する場合を除く。)においては、第九条の規定にかかわらず、借地権を消滅させるため、その設定後三十年以上を経過した日に借地権の目的である土地の上の建物を借地権設定者に相当の対価で譲渡する旨を定めることができる。
2  前項の特約により借地権が消滅した場合において、その借地権者又は建物の賃借人でその消滅後建物の使用を継続しているものが請求をしたときは、請求の時にその建物につきその借地権者又は建物の賃借人と借地権設定者との間で期間の定めのない賃貸借(借地権者が請求をした場合において、借地権の残存期間があるときは、その残存期間を存続期間とする賃貸借)がされたものとみなす。この場合において、建物の借賃は、当事者の請求により、裁判所が定める。
3  第一項の特約がある場合において、借地権者又は建物の賃借人と借地権設定者との間でその建物につき第三十八条第一項の規定による賃貸借契約をしたときは、前項の規定にかかわらず、その定めに従う。

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Q 裁判所が「売却不許可」という判断をした場合は,
  その後の手続はどうなるのですか。


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A 原則的に「不許可」の理由によって,
  その理由解消に向けた手続に進みます。


【売却不許可;その後のフロー】
Q裁判所が「売却不許可」という判断をした場合は,その後の手続はどうなるのですか。

A原則的に「不許可」の理由によって,その理由解消に向けた手続に進みます。

裁判所が「売却不許可」と決定した場合,次のフローは↓のとおりとなります。
つまり,解消可能な事由があれば,解消に向けて進み,解消不可能であれば手続を終了する,ということです。

<売却不許可決定後のフロー>
・競売手続を続行する余地のない不許可事由
 例;執行要件の欠缺,執行取消文書の提出
 →競売手続の取消
・一時的に売却を妨げる不許可事由
 例;執行停止文書の提出
 →その事由が解消したときから続行
・1回的な瑕疵による不許可事由
 例;無資格者による買受け
 →是正するのに必要な時点に戻って売却手続をやり直す

<参考情報>
民事執行法 (現代法律学全集23) 中野 貞一郎 (著)

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Q なかなか売却されない場合に,
  裁判所が競売の手続を強制的に終了させることはあるのですか。


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A 入札による売却を3回トライしたが売却完了まで至らなかった場合には,
  裁判所が「競売手続を停止」する場合があります。


【売却見込みなし→手続停止→手続取消】
Qなかなか売却されない場合に,裁判所が競売の手続を強制的に終了させることはあるのですか。

A入札による売却を3回トライしたが売却完了まで至らなかった場合には,裁判所が「競売手続を停止」する場合があります。

3回の売却手続を実施したが売却に至らなかった場合で,かつ,「売却の見込みがない」と判断した場合は,裁判所は強制競売手続を停止します(民視執行法68条の3第1項)。
逆に言えば,「売却の見込みが薄い」という事情があっても,最低限3回は売却を実施することになります。

「停止」というのは「最終的な終了」の1つ前の段階です。
つまり,手続の「一時停止」のような状態です。

手続が終了になると,差押を行った債権者としては,債権回収ができないことになります。
そこで,差押債権者は,「手続停止」の通知を受けてから3か月以内に「売却実施の申出」をすることができます。
この申出をするためには「買受申出(入札)予定の者の存在」が必要です(民事執行法68条の3第2項)。

「手続停止」の後,債権者からの「売却実施の申出」がない場合や,なされた場合でもその後売却完了に至らなかった場合は,「強制競売手続の取消」となります(民事執行法68条の3第3項)。
最終的に手続が終了する,という意味です。

[民事執行法]
(売却の見込みのない場合の措置)
第六十八条の三  執行裁判所は、裁判所書記官が入札又は競り売りの方法による売却を三回実施させても買受けの申出がなかつた場合において、不動産の形状、用途、法令による利用の規制その他の事情を考慮して、更に売却を実施させても売却の見込みがないと認めるときは、強制競売の手続を停止することができる。この場合においては、差押債権者に対し、その旨を通知しなければならない。
2  差押債権者が、前項の規定による通知を受けた日から三月以内に、執行裁判所に対し、買受けの申出をしようとする者があることを理由として、売却を実施させるべき旨を申し出たときは、裁判所書記官は、第六十四条の定めるところにより売却を実施させなければならない。
3  差押債権者が前項の期間内に同項の規定による売却実施の申出をしないときは、執行裁判所は、強制競売の手続を取り消すことができる。同項の規定により裁判所書記官が売却を実施させた場合において買受けの申出がなかつたときも、同様とする。

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