超過特別受益がある場合,どうやって相続分を計算するのでしょうか。
誤解ありがち度 5(5段階)
***↓説明↑***
1 一般の方でもご存じの方が多い
2 ↑↓
3 知らない新人弁護士も多い
4 ↑↓
5 知る人ぞ知る
↓ランキングはこうなってます↓
↓ このブログが1位かも!? ↓

↑↑↑クリックをお願いします!↑↑↑
A 2つの見解があります。
主流は,特別受益控除先行説です。高裁が採用しています。
【寄与分,特別受益の計算順序の2説(超過特別受益あり)】
寄与分と特別受益の両方がある,という相続人がいます。
超過特別受益がある場合,どうやって相続分を計算するのでしょうか。
→2つの見解があります。
超過特別受益となっている場合は,一応の相続分から特別受益を控除(マイナス)した時点でマイナスになります。
特別受益は「マイナス」つまり,相続人が実際に(生前贈与などで受けた財産を)遺産に戻す,ということは認めていません。
そこで,「マイナス」となった場合は,「ゼロ」になります。いわば「リセット」が行われるのです。
ここで,「特別受益のマイナス」と「寄与分のプラス」のどちらを先に行うか,で「リセット」発動の有無が変わってきます。
この「計算順序」は民法上,どこにも明記されていません。
そこで,見解が2つあるのです。
<寄与分,特別受益の計算方法>
1 寄与分合算先行説
寄与分のプラスを先に計算する方法です。
各相続人の相続分 = 一応の相続分 + 寄与分 - 特別受益
2 特別受益控除先行説
特別受益のマイナス(控除)を先に計算する方法です。
各相続人の相続分 = ( 一応の相続分 - 特別受益 )(←※1) + 寄与分
※1 この時点でマイナスとなっている場合は,ゼロにする。
【高裁の採用する寄与分,特別受益計算順序】
超過特別受益がある場合の相続分算定方法はどちらの説を用いるべきなのでしょうか。
→特別受益控除先行説が主流です。
高裁判例で,特別受益控除先行説が採用されています(決定後掲)。
なお,この裁判例の原審である家裁の審判では,寄与分合算先行説が採用されていました。
結論として,現時点では,特別受益控除先行説の方が採用される可能性が高いです。
立法関係者もこの見解を採っています(加藤一郎「相続法の改正(下)」ジュリスト723号115頁)。
[東京高等裁判所平成21年(ラ)第617号遺産分割審判等に対する抗告事件平成22年5月20日]
寄与分は,あらかじめ寄与分を控除した前記した分割対象財産をみなし相続財産としてこれを基礎にして具体的相続分の比率を定めるものであることにかんがみれば,寄与分の割合を認定された相続人に係る超過特別受益の存在によって同人の具体的相続分が零になったとき,同人の上記寄与分の価額から更に超過した特別受益の部分の価額を差し引いて減少させて調整することは,すでに遺産分割及び寄与分に係る事件に顕れた一切の事情を総合勘案した上で裁判所により認定判断された寄与分の割合を重ねて修正するに等しく,これは民法903条と同法904条の2の各立法趣旨に照らし,寄与分と特別受益はその本質を異にすることが明らかである以上,改めて修正を施し直す理由は一般的にはやや分かりにくく,また,分割の手法としても迂遠さを残すものと解されるので,むしろ,なお重ねて控除しなければ著しく合理性を欠くというべき格別の事情が存在するというのであるならば,あらかじめこれを勘案して寄与分の割合を定めることが相当であると解される。
<<告知>>
みずほ中央リーガルサポート会員募集中
法律に関する相談(質問)を受け付けます。
1週間で1問まで。
メルマガ(まぐまぐ)システムを利用しています。
詳しくは→こちら
無料お試し版は→こちら
<みずほ中央法律事務所HPリンク>
PCのホームページ
モバイルのホームページ
↓ランキングはこうなってます↓
↓ このブログが1位かも!? ↓

↑↑↑クリックをお願いします!↑↑↑
相続・遺言に関するすべてのQ&Aはこちら
弁護士による相続・遺言の無料法律相談
個別的ご相談等のお問い合わせは当事務所にご連絡下さい。
お問い合わせ・予約はこちら
↓お問い合わせ電話番号(土日含めて朝9時~夜10時受付)
0120-96-1040
03-5368-6030