共有者自身が入札することはできますか。
抵当権の債務者になっている場合はどうでしょうか。
誤解ありがち度 5(5段階)
***↓説明↑***
1 一般の方でもご存じの方が多い
2 ↑↓
3 知らない新人弁護士も多い
4 ↑↓
5 知る人ぞ知る
↓ランキングはこうなってます↓
↓ このブログが1位かも!? ↓

↑↑↑クリックをお願いします!↑↑↑
A 形式的競売で「共有者自身」が入札するのはOKです。
設定された担保権の被担保債権の債務者でもOKと思われます。
【共有物分割の換価分割としての形式手競売における共有者の入札】
共有物分割訴訟で,換価分割の判決となり,競売をすることになりました。
共有者の1人は入札できますか。
→入札可能です。
共有物分割の具体的な方法として,競売を行い,代金を持分割合で分ける方法があります。
換価分割と呼んでいます。
この競売は,本来的な競売=債権回収,とは目的が大きく異なります。
そこで「形式的競売」と呼んでいます。
形式的競売においては,各共有者は「当事者」と言える立場です。
しかし,「債権者」や「債務者」という立場・関係は一切ありません。
そこで,民事執行法68条における「債務者」には該当しません。
当然,入札可能です。
実質的にも,妥当性を欠く,ということはありません。
【形式的競売における共有者兼債務者の入札】
共有物分割の換価分割における形式的競売が行われました。
共有物には住宅ローンの担保が付いています。
私は共有者の1人ですが,住宅ローンの債務者でもあります。
私が入札することはできますか。
→統一的見解はありません。可能であると思われます。
まず,形式的に考えると,次のようになります。
<形式的競売における共有者兼「債務者」の入札>
形式的競売
→債権回収目的ではない
→「債務者」という概念が適用されない
→「債務者の入札禁止(民事執行法68条)は適用されない
次に,実質的に考えてみます。
まず,担保権の設定された不動産について,共有物分割による形式的競売が行われた場合,どのように担保権が処理されるのか,というところから始めます。
担保権の処理について,明確・統一的見解はありません。
<担保権の処理の見解>
・消除主義
→担保権は抹消される。担保権者に配当がなされる。
・引受主義
→担保権は抹消されない。存続する。担保権者への配当はなされない。
この判断は最終的には執行裁判所に委ねられている状態です。
実例自体が少ないのですが,消除主義が採用される傾向にあると思います。
引受主義の場合,「債権の回収」は行われません。競売とは完全分離,という状態です。
「競売」と「債権回収」はまったく別概念です。
「債務者」の入札禁止ルールも妥当しないと言えましょう。
消除主義の場合,結果的に,配当,つまり,「債権回収」がなされます。
この意味で「債務者」という概念が妥当します。
そうすると「入札者としてではなく,債務者自身として返済すべきだ」という民事執行法68条の趣旨が当てはまるように思えます。
しかし,形式的競売の場合,目的はあくまでも「共有物分割」です。
「債権回収」は結果的に実現することになる,ということに過ぎません。
【オーバーローン物権の形式的競売における共有者兼債務者の入札】
オーバーローンの不動産について形式的競売が行われました。
消除主義が採用される前提で,共有者兼債務者が入札すると,「債務額全額に満たない金額で担保権を逃れた」ことになります。
「債務者による入札」として禁止すべきではないでしょうか。
→担保権者には競売自体をストップする選択肢があります。「債務者による入札」を禁止しなくても「不合理」という結果にはならないでしょう。
仮に担保権者が形式的競売実施を好ましく思わない場合は,「同意」しなければストップできます。
無剰余差押の禁止,というルールです(民事執行法63条2項)。
逆に「同意」した場合は,「債務額未満での入札→担保の消滅」を債権者が承諾しているということです。
「債務額全額に満たない金額で担保権を逃れた」という結果になったとしても,直ちに「不合理だ」「許されない」ということにはならないでしょう。
[民事執行法]
(剰余を生ずる見込みのない場合等の措置)
第六十三条(略)
2 差押債権者が、前項の規定による通知を受けた日から一週間以内に、優先債権がない場合にあつては手続費用の見込額を超える額、優先債権がある場合にあつては手続費用及び優先債権の見込額の合計額以上の額(以下この項において「申出額」という。)を定めて、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める申出及び保証の提供をしないときは、執行裁判所は、差押債権者の申立てに係る強制競売の手続を取り消さなければならない。ただし、差押債権者が、その期間内に、前項各号のいずれにも該当しないことを証明したとき、又は同項第二号に該当する場合であつて不動産の買受可能価額が手続費用の見込額を超える場合において、不動産の売却について優先債権を有する者(買受可能価額で自己の優先債権の全部の弁済を受けることができる見込みがある者を除く。)の同意を得たことを証明したときは、この限りでない。
一(略)
<<告知>>
みずほ中央リーガルサポート会員募集中
法律に関する相談(質問)を受け付けます。
1週間で1問まで。
メルマガ(まぐまぐ)システムを利用しています。
詳しくは→こちら
無料お試し版は→こちら
<みずほ中央法律事務所HPリンク>
PCのホームページ
モバイルのホームページ
特集;高次脳機能障害
↓ランキングはこうなってます↓
↓ このブログが1位かも!? ↓

↑↑↑クリックをお願いします!↑↑↑
不動産に関するすべてのQ&Aはこちら
震災特例法に基づく被災者(会社)の負担軽減策。税金の還付請求など。by国税庁
弁護士による不動産の法律相談
個別的ご相談等のお問い合わせは当事務所にご連絡下さい。
お問い合わせ・予約はこちら
↓お問い合わせ電話番号(土日含めて朝9時~夜10時受付)
0120-96-1040
03-5368-6030