一括競売~「一括『売却』」とは別~ | 法律を科学する!理系弁護士三平聡史←みずほ中央法律事務所代表

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大学では資源工学科で熱力学などを学んでいました。
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※このブログはほぼ法的分析オウンリー。雑談はツイッタ(→方向)にて。

Q 「一括競売」とはどのようなものですか。

誤解ありがち度 3(5段階)
***↓説明↑***
1 一般の方でもご存じの方が多い
2 ↑↓
3 知らない新人弁護士も多い
4 ↑↓
5 知る人ぞ知る

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A 抵当権設定時には建物なし→その後当該土地上に建物が建築された場合
  →土地・建物のセット売りOK
  という制度です。


【一括競売】
どのような場合に「一括競売」の申立ができるのでしょうか。

→抵当権設定時には建物なし→その後当該土地上に建物が建築された場合,です。

一括競売ができるケース,というのは民法389条に規定されています。
まとめると次の通りになります。
<一括競売の要件>
1 抵当権設定当時,土地上に建物が存在しないこと
2 抵当権設定後に抵当土地上に建物が築造されたこと

【一括競売の申立】
一括競売をするかしないかは裁判所が判断するのでしょうか。

→申立人が選択できます。

条文上は「申立」なのか「裁判所の裁量」なのかは明記されていません。
しかし,通説では,「土地抵当権者の権利」→「抵当権者(申立人)の自由選択OK」と解釈されています(我妻榮=有泉亨=清水誠=田山輝明『我妻・有泉コンメンタール民法-総則・物権・債権』(第2版追補版)日本評論社613頁)。
実務上も,申立人が選択できる,という運用がなされています。
逆に言えば,競売の申立人が一括競売の申立をしていない場合,裁判所が職権で一括競売を実施する,ということはしていないのです。

【一括競売の趣旨】
「一括競売」の場合,抵当権が付いていない建物も一緒に売却できてしまうのでしょうか。
変だと思うのですが,なぜでしょうか。

→形式的に法律を適用すると「建物を解体する結果になる」→「社会的な損失が大きい」という理由です。

一括競売という制度が定められている趣旨は次のようなものです。
<一括競売の趣旨>
更地に抵当権を設定した後に建物が建てられた場合,一括競売の制度がなければ,次のようになります。
・建物については法定地上権が生じない(=土地利用権原なし)

・建物について土地所有者(競売での買受人)から建物収去請求が認められる

・建物を解体することになる=社会経済的損失が大きい
・買受人が土地を利用するために「紛争解決」が必要となる→売却の障害となる

以上の不都合を避ける要請が強い

抵当権者の選択による競売対象の拡大を認めた

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