なぜ,非常識なことをした人を保護するのでしょうか。
この買取請求権への対抗策はないのですか。
誤解ありがち度 4(5段階)
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A 借地人の保護,という趣旨です。
借地契約の解除がストレートに認められると借地人の受ける損失が大きいのです。
第三者の建物買取請求権への確実・明確な対抗策はありません。
ベター論ならあります。
【第三者の建物買取請求権の趣旨】
無断で借地権を譲渡しておきながら,強制的な買取請求をされてしまうのは不合理だと思います。
なぜこんな制度があるのでしょうか。
→無断譲渡により,賃貸借契約解除となると,借地人が著しい不利益を被るので,借地人の救済措置として規定されています。
確かに,最初から地主に相談→承諾をもらってから建物+借地権を譲渡すればまったく問題がなかったのです。
地主に無断でこのような行為をしたことが原因なので,借地人が一定の不利益を受けることは当然とも思えます。
中には,法律のルールを詳しく知らずに,「無断譲渡」をしてしまうケースも実際にあります。
そこで,「うっかり」により,重大な資産である「家屋」や「借地権」をすべて失ってしまうことがないように,「建物買取請求権」が規定されているのです。
地主サイドの立場では,借地権譲渡について承諾を拒否しても,その後自分が建物を買い取ることになる可能性があります。
そのようなリスクを考えて,なるべく借地権譲渡を承諾する方向に考えが傾きます。
結局,地主に一定の負担を負わせつつ,借地人を保護する,という性質の規定ということになります。
[大阪高等裁判所昭和53年(ネ)第1570号、昭和55年(ネ)第2218号建物収去・土地明渡請求控訴及び附帯控訴事件昭和58年4月28日]
(略)建物買取請求権制度の趣旨、すなわち賃貸人に対する承諾の間接的強制、投下資本の回収を図るなどといつたこの制度の認められている趣旨から考えると、(略)
[澤野順彦『実務解説 借地借家法』442頁]
賃借権の譲渡・転貸について賃貸人の承諾が得られない場合の建物買取請求権は,賃貸人の承諾を得ずに賃借権の譲渡・転貸がなされた場合,賃貸人は契約を解除し,土地の返還を受けることができるが,賃貸人は,借地人の偶然の行為により思わぬ利得を受けることとなる。とくに借地期間が相当残っている場合,また建物の価値が高い場合などは,直ちに建物収去土地明渡しを求めることができるとすると,第三取得者の受ける損失は,賃貸人の受ける利益に比べあまりにも大きいといわねばならない。土地賃借権が現在のように社会的にも経済的にも機能してくると,その権利の譲渡・転貸に際し,たまたま承諾を得ないという一事をもって借地権をすべて消滅させてしまうのは,賃借権の物権化傾向を志向する時代にそぐわないものであり,かかる場合に建物取得者の権利を少しでも擁護し,また,地主が借地継続に翻意することを期待して規定されたものと考えられる。
【第三者の建物買取請求権への対抗策】
建物買取請求権に対抗する手段はどのようなものがありますか。
→建物(+借地権)が無断譲渡された場合,スグに「賃貸借契約解除の通知」をしておくとベターです。
まず,最初の賃貸借契約締結時に,契約書に「建物買取請求権は認めない」と書いておいても,実はこれは無効となります(借地借家法16条;強行法規性)。
そこで,効果がある方法は,「無断譲渡」がなされてことが分かったらスグに次のような通知を出すことです。
<通知内容>
「借地権無断譲渡により賃貸借契約を解除する」
民法の規定上,これにより,土地の賃貸借契約は終了します。
そうすると,この解除通知以降は,「地主と借地人」という関係が消滅します。
↓従って
借地借家法の適用がない
↓
建物+借地権を譲り受けた第三者は,「建物買取請求権」を使えない
となるはずです。
しかし,ご説明しましたとおり,建物買取請求権は特別に規定した借地人救済ルールです。
しかも,強行法規とされ,容易に排除できないこととされています。
そこで,前述の理屈どおりにストレートに「建物買取請求権」が否定される,ということにはならない可能性もあります。
このような攻防の決着について,明確・統一的見解はありません。
いずれにしましても,建物+借地権の無断譲渡が発覚したらスグに解除通知を出しておく方が有利であることは間違いありません。
[借地借家法]
(強行規定)
第十六条 第十条、第十三条及び第十四条の規定に反する特約で借地権者又は転借地権者に不利なものは、無効とする。
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