間違いだらけの裁判所 | 法律を科学する!理系弁護士三平聡史←みずほ中央法律事務所代表

法律を科学する!理系弁護士三平聡史←みずほ中央法律事務所代表

大学では資源工学科で熱力学などを学んでいました。
科学的分析で法律問題を解決!
多くのデータ(事情)収集→仮説定立(法的主張構成)→実証(立証)→定理化(判決)
※このブログはほぼ法的分析オウンリー。雑談はツイッタ(→方向)にて。

一般に,裁判・裁判所に対して,皆さんいろんなイメーヂをお持ちでしょう。
現実とイメーヂに齟齬がある場合も少なくありません。

失礼しました,申し遅れました。みずほ中央法律事務所の三平です。
みなさんこんばんは。
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よくある「間違い」。
挙げて行きましょう。

・裁判官が木槌で「静粛に」
 →ありまへん。そのような小気味の良い小道具に予算は当てられていません。
 →実際;「静かにしてください」「あんまうるさいと退廷させますよ」
  ね,普通でしょう。
・弁護士が法廷で歩き回って傍聴人に語りかける
 →ありません。ただし,傍聴人ではなく「裁判員」では語りかけるスタイルが登場しつつあります。
  三平は,たまにトライすることもあります。傍聴人に参加してもらうやり方を。これはまた別の話し。
・傍聴人がいっぱい見ていて緊迫感
 →あまりありません。一般的な規模の裁判では。
  依頼者に「大丈夫,傍聴人が詰め掛けているのはTVドラマの世界くらいですよ」と,リラックスしてもらう声をかけた時に限って,裁判所職員の研修生がいっぱいだったり,逆に小中学生の社会化見学で全席キッズとかだったりします。
  法廷に入った瞬間,依頼者に「大丈夫,TVドラマだと思って気楽になさって下さい」とフォローすることになります。
・言葉
 容疑者→これはマスコミ用語。実際は「被疑者」。分かりにくいから「俗称」が付けられた模様。
 婦女暴行→これもマスコミ用語。このような言葉は6法にはありません。ナポレオンではなく。実際は「強姦」(刑法177条)。インパクト強すぎなので考案された言葉。婉曲表現。
・ノリ突っ込み
 →なさそうであります。というか,三平が使ってみたことがあります。
  証人尋問で,敵性証人に反対尋問をぶつけるシーンで,噛み付こうとしてくる証人がいてます。
  三平:あなたは浮気をした。これは不法行為だ!さぁ,あなたから彼女を誘ったんじゃないですか?
  証人:いや,別にどちらからというわけではなく・・・
  三平:質問に答えて下さい!あなたから誘ったんでしょ!
  証人:えーそのー・・・あ,じゃあ,あなたはそうなんですか,つまり,自然に成り行きでってことはないんですか?
  三平:私ですか。私の場合は,最近の例では・・・って,なんでやねん!答えるのはあなた!私は質問する方です!質問にだけ答えて下さい!
    (と言いつつ裁判官を見たら・・・ノーリアクション。笑っていなかった・・・)

※一部脚色というか,不正確な再現もあります。

一般の方がよく誤解している法廷シーン,という話しでした。