三枝師匠と残業代請求 | 法律を科学する!理系弁護士三平聡史←みずほ中央法律事務所代表

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大学では資源工学科で熱力学などを学んでいました。
科学的分析で法律問題を解決!
多くのデータ(事情)収集→仮説定立(法的主張構成)→実証(立証)→定理化(判決)
※このブログはほぼ法的分析オウンリー。雑談はツイッタ(→方向)にて。

残業代請求をする場面の多くは退職前後です。
勤務継続中はなかなかできませんなぁ・・・2回しか
と,いきなり三枝師匠のオチからのスタートです!

失礼しました,申し遅れました。みずほ中央法律事務所の三平です。
みなさんこんばんは。
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残業代請求の話し。
通常,勤務継続中に残業代請求をすると,職場が険悪になる,と思いがちです。

しかし,そうちゃうよ,ということもあります。

従業員の代理人として,会社側(経営者)に説明・説得するわけです。
いろいろ会社側にも言い分があることが多いですが,法律上のルールでは,基本的に「通らない」言い分がほとんどです。
会社側には,むしろこの機会に就業規則などのルールを整備した方が良い,と説明するのです。
「ほなら,どんなルールにしたらええんや,アドヴァイスくれんやろか」と言われることがあります。
その場合は,「しっとるが,教えられないのです。よく考えたら「敵」なんで・・・」と説明します。
このように,「交渉」であり,「敵味方」であることに違いないのですが,感情的にぶつかり合うわけではないのです。特に代理人の場合は。
結果的に会社側もルールを整備することにつながったりします。「コンプライアンス」ってやつです。
そもそも,「残業代を請求される状態」が良くないのです。

敵のはずなのに,相手方から「センセ,ホントに払わなあかんのですね。信用して良いのですね」と言われることもあります。
こんな時は「私は「敵」なので,**さん(←依頼者名)に有利な主張をする立場にあります。ウソを言ってはいませんが,私の解釈・主張が絶対かどうかは断言する立場にありません。ウソは言いませんが・・・」と歯切れ悪い説明を要請されます。
村の長老が仲介的に調整するのであれば中立なのでしょうけど,「代理人」はどちらかの味方。属性があるのです。

話しは戻って。
「敵」なのに「天晴」いうて,円満に終わる。
このポイントは,「継続的・集団的な法律関係」であるところがミソです。
残業代請求は,個別的に解決しても,他の従業員には問題が残ったままですし,今後も問題が残ったままです。
あるきっかけで,就業規則の整備など,(個別的解決とは別に)根本的解決も実施しなくてはならないのです。

代理人が交渉するからと言って,「バトル」「敵対的」と思ったら,それは時代遅れかもしれません。
ヤングチームからアダルトチームに移行したと言えるかも。

三枝師匠を絡めた話しでした。(おちてへん?)

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