最近、グーグルマップのクチコミにより損害を被ったと、グーグルを相手取り医師が集団提訴したというニュースがありました。事実無根の内容を書き込みされていたこともあるのかもしれません。低評価をつけられ、患者さんの来院数が減って損害を被った事実もあるのかもしれません。一方で、本当に低評価は虚偽のクチコミ記載のためだけなのかという疑問もあります。知らず知らずのうちに、例えば横柄な態度で診療に臨んでいないでしょうか。

 

昔から、「先生」「先生」などと呼称され、職務上、指示を出したりなど上位のポジションにいることが多い医師という職業はは、勘違いしやすい職業とも考えられ、特に年かさの医師ではその傾向が見受けられるのも事実です。

 

 

 

クチコミがなければ、患者さん側は何を基準に医師を選んだらよいのでしょうか?

ホームページでしょうか。あるいはインタビュー記事などでしょうか。実際こういったものは、業者にお願いし、お金を払って作成してもらっているわけで、マイナスなことを書くはずもないのです。

 

 

ネットの匿名性が故に生じる問題かもしれません。ネットの書き込みを実名にして、書き込む人の責任を明確にすれば虚偽内容の記載抑制になるとは思います。でも一方で内部通告など、氏名を明かすと自分に被害が及ぶ可能性はあるが、通告することが社会的意義を果たすことになる案件に関してはどうでしょうか。仮にネットを実名限定とすると、こういった通告が抑制されてしまい、かえって社会が損失を被るといった事態も予想されます。痛し痒しですね。

 

 

さて、私は、医療機関を選ぶファーストステップとして「クチコミ」は必要と考える方です。

なにも参考資料がなく、選ぶことは難しいです。ただクチコミを利用する際に、あくまで「参考程度」にすること、

誹謗中傷が著しいクチコミは判断材料としないこと、具体的内容が記載されているクチコミを重視すること、その具体的内容が社会通念上あり得ない内容でないこと、気になるクチコミがある場合は、その投稿者の別のクチコミを見てみること、などに注意することが必要と考えます。これは高評価のクチコミに関しても同様です。

 

 

ちなみに知人・友人・家族からのオススメは、情報発信源が実在し、責任をもって発言していることでしょうから

信用度は高いですね。

 

 

そのうえで、実際に訪れてみて、「自分の目」でしっかり評価をすればいいのだと思います。

自分の健康や生活、場合によっては命を預けることになるわけですから、何も一か所に限定しなくてもいいと思います。

何か違うなと思ったら、少々面倒でも別の医療機関に治療の場を移す判断も必要です。

 

 

実際に受診した際の判断材料としては、しっかりと時間をかけて話を聞く姿勢を持っているか(特に初診時)、質問などに対して真摯に返答してくれるか、ちゃんと視線を合わせて診療をしてくれるか、治療方法について説明があるか、看護師などコメディカルへの態度は適切か、などでしょう。

 

医療はエビデンスに基づいた治療、例えばガイドラインに沿った治療が基本ではあるかもしれません。AIに代替される部分も将来的には出てくるでしょう。しかし精神科領域について述べると、それに当てはまらない患者さんが実はたくさんいます。医療者側の経験とセンスも必要な分野です。そして何より医療者の人柄や患者さんとの相性が回復には重要な分野です。

 

長くなりましたが、いま、医療機関にかかろうとしている困難を抱えた方に、少しでも参考になればと思い記載しました。