マハーサマディとは

 

マハーサマディ(Mahāsamādhi / 大三昧)は、

ヒンドゥー教やヨガの伝統において、

高度に覚醒した聖者やヨギが意図的に肉体を離れ、

最終的な解脱(モクシャ)に達する事象を指します。

 

サンスクリット語で

「マハー(偉大な)」と「サマディ(三昧・瞑想の到達点)」を組み合わせた言葉です。

通常の「死」との違い

瞑想の境地である「サマディ」と、肉体の死である「マハーサマディ」には明確な違いがあります。

項目 通常のサマディ マハーサマディ 通常の死
状態 一時的に肉体の意識を離れ、宇宙意識と一体化する 肉体を完全に手放し、肉体へと戻らない 肉体の機能停止(カルマに支配された強制的な没)
意識の有無 自覚的(自らの意志で戻れる) 完全な自覚的選択 不可避・無自覚的
輪廻転生 瞑想から覚めた後も肉体で生きる 輪廻(生まれ変わり)のサイクルからの完全な解脱 カルマに基づき次の生へ巡る

主な特徴

  • 意図的な肉体からの離脱

    病気や老衰による受動的な死亡ではなく、自らの意志と瞑想の力(クンダリニーの昇華など)によって、最も適切なタイミングを選び、意識を頭頂部(サハスラーラ・チャクラ)から抜いて肉体を去るとされます。

  • 生前のアナウンス

    多くの偉大なマスターは、マハーサマディに入る日時を弟子たちにあらかじめ示告します。

  • 墓所(サマディ・マンディール)

    マハーサマディに入った聖者の体は火葬されず、土葬されてその上に墓廟(サマディ)が建てられることが一般的です。その場所には聖者のエネルギーが残り続けると信じられています。

代表的な例

  • パラマハンサ・ヨガナンダ(『あるヨギの自伝』の著者):1952年、スピーチを終えた直後にマハーサマディに入りました。死後数週間が経過しても肉体が腐敗しなかった記録が残されています。

  • ラーマクリシュナラマナ・マハルシなどの近代インドの偉大な聖者たちも、この境地を経て肉体を離れたと伝えられています。