「素数の輝き」(月刊文藝春秋9月号)を読んで | 松原湖高原☆風だより

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松原湖高原(八ヶ岳・東麓)からお送りする
四季折々の朝風

 

今朝は、昨日発売の月刊文藝春秋誌

 

9月号から、表題のエッセーを

 

採り上げてみた。

 

著者は、作家・数学者の藤原正彦氏。

 

本誌巻頭近くの随想集の冒頭を飾る

 

同氏の『古風堂々』シリーズから。

 

今回は、その第64回とのこと。

 

確か2019年6月号からだから、

 

もう5年以上続けておられる筈。

 

よく書くことがあるものだ。


 

(表紙)

 

 
 
 
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 

 

今回のテーマは、「素数」。

 

氏の専門分野である数学絡みだ。

 

とはいっても、決して堅苦しい

 

内容ではない。

 

氏がここで採り上げたのは、

 

夏の風物詩である「セミ」。

 

 

氏によると、今年の初夏、

 

アメリカの中西部から東南部にかけて

 

セミの大発生があったとのこと。

 

その数なんと1兆匹だそうな。

 

十三年ゼミと十七年ゼミが

 

たまたま一致して現れたことが

 

原因とのこと。

 

この十三と十七という数字は、

 

二つとも素数。

 

ここから、セミの生態論、

 

素数論などが展開される。

 

以下、詳しくは、本誌を。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

筆者が、このエッセーに注目したのは、

 

セミに関心があったというより、

 

エッセーの後段というか末尾で、

 

俳句と短歌のことに触れていたから。

 

 

皆さんご案内のとおり、

 

俳句と短歌の句ごとの文字数は、

 

それぞれ五七五、五七五七七と

 

素数ばかり。

 

かつ、それらの数字の和は

 

十七と三十一と、これまた素数。

 

なるほど、玄妙。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

氏は、運動会の三三七拍子と

 

都々逸(どどいつ)に軽く触れたあと、

 

次の名(迷?)文句でエッセーを閉じる。

 

「彼の大地に素数あらば、我が文学に

 

素数あり。彼の大地に恋い焦がれ

 

鳴きわめく蝉あらば、わが大地に

 

恋い焦がれ仄かな灯(ひ)を点す蛍あり。」

 

 

 

               <以上>

 

 


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消えゆくかミンミンゼミも声聞かず多摩川べりに早秋風が


           詠み人:樺風

 

 

 

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