今朝は、昨日発売の月刊文藝春秋誌
9月号から、表題のエッセーを
採り上げてみた。
著者は、作家・数学者の藤原正彦氏。
本誌巻頭近くの随想集の冒頭を飾る
同氏の『古風堂々』シリーズから。
今回は、その第64回とのこと。
確か2019年6月号からだから、
もう5年以上続けておられる筈。
よく書くことがあるものだ。
(表紙)
今回のテーマは、「素数」。
氏の専門分野である数学絡みだ。
とはいっても、決して堅苦しい
内容ではない。
氏がここで採り上げたのは、
夏の風物詩である「セミ」。
氏によると、今年の初夏、
アメリカの中西部から東南部にかけて
セミの大発生があったとのこと。
その数なんと1兆匹だそうな。
十三年ゼミと十七年ゼミが
たまたま一致して現れたことが
原因とのこと。
この十三と十七という数字は、
二つとも素数。
ここから、セミの生態論、
素数論などが展開される。
以下、詳しくは、本誌を。
筆者が、このエッセーに注目したのは、
セミに関心があったというより、
エッセーの後段というか末尾で、
俳句と短歌のことに触れていたから。
皆さんご案内のとおり、
俳句と短歌の句ごとの文字数は、
それぞれ五七五、五七五七七と
素数ばかり。
かつ、それらの数字の和は
十七と三十一と、これまた素数。
なるほど、玄妙。
氏は、運動会の三三七拍子と
都々逸(どどいつ)に軽く触れたあと、
次の名(迷?)文句でエッセーを閉じる。
「彼の大地に素数あらば、我が文学に
素数あり。彼の大地に恋い焦がれ
鳴きわめく蝉あらば、わが大地に
恋い焦がれ仄かな灯(ひ)を点す蛍あり。」
<以上>
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消えゆくかミンミンゼミも声聞かず多摩川べりに早秋風が
詠み人:樺風
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