◆映画『きこえなかったあの日』 | 【MBBC倶楽部ノート】 by つだるま

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今村彩子監督のドキュメンタリー映画、『きこえなかったあの日』が、「みんなで観る会」という企画で上映されると知り、観に行ってきた。

 

2022年9月10日(土)10:00~12:00(9:30開場)

大阪府立福祉情報コミュニケーションセンター 4階会議室

今村彩子監督

映画『きこえなかったあの日』

 

 

 

監督自身、ろう者である。

耳のきこえないひとたちと災害、それを見つめた10年間の記録。

 

ドキュメンタリー映画なので、ナマの様子がとても伝わってくる。

 

被災現場では、みんなが大変であるが、情報が入ってこないきこえないひと・きこえにくいひとはさらに大変である。

食料や物資の配給も、音声のみでの伝達では、取り残されてしまう。

そこに情報があることすらわからないからだ。

 

そして、孤独感。

 

これは災害時のみならず、ひとが生活するにおいて、誰かと心を通わせること、ちょっとした会話でもかまわない、とにかく交流できることが大切なのだとひしひし感じた。

 

きこえない人・きこえにくいひとは、周囲のひととコミュニケーションが取りづらい。

 

けれども、お互い同じ人間である。

きこえないひと、というカテゴリ分けではなく、そのひと個人をしっかり見ればいろんなことがわかってくる。

 

知らないから怖いのだ。

知らないから遠ざけるのだ。

 

知れば、聴者にもろう者にもいろんなひとがいるというのがわかってくる。

みんなそれぞれ性格やタイプが違う。

わかってくると、だんだん心の距離が近づいてくる。

 

手話がわからなければ、指差しや身振りで。

筆談が難しければ、絵や図形で示したり。

 

ろう者のなかにも、手先の器用なひと、大工仕事が得意なひと、笑顔がとってもチャーミングなひと、おしゃべり好きなひと、寡黙なひと、世話好きなひと、いろいろ。

 

 

東日本大震災の直後から取材は始まっている。

そして、それからの10年間。

 

少しずつ少しずつ、社会が変わり始める。

各地で手話言語条例の制定が進み、会見などに手話通訳がつくようになってはきている。

 

ろう者・難聴者は、施しを受けるだけのひとではない!

きこえないだけで、からだは元気だし、役にも立つことができる!

と、ろう者・難聴者による災害ボランティアが結成され活動するなど、新しい動きも出てきた。

 

けれども、まだまだこれからだ。

 

わたしも、わたしにできることからやっていこう。