ある晴れた日。
成田一徹さんの切り絵の原画展が開催されていたので、行ってみることにした。
成田一徹さんのお名前は、ずいぶん前から知っていた。
モノクロで、ものすごく温かみのある切り絵を作られるかた。
残念ながら、2012年にお亡くなりになられとのこと。
ご本人にお会いするチャンスには恵まれなかったが、成田一徹さんの切り絵には、わたしが行ったことのあるBarも描かれていたりして、なんとなく親しみを感じていた。
そう。画集は見たことがあった。
が、原画を観るのは初めて。
入場料1,000円で、ワンドリンク付き。
ドリンクを片手に、原画を観て回るという粋な計らい。
ワンドリンクとして何種類かある中から、わたしはジンリッキーを選び、それを飲みながら、成田一徹さんの世界に入る。
原画は80点ほど展示されていた。
行ったことのあるBar、名前だけ知っているBar、まったく知らないBar。
それぞれのBarのお店の雰囲気。
それぞれのBarのマスターの持ち味。
それぞれのBarのお客さんたちの表情。
それらが流れ込んでくる。
過去に何度か足を運んで、いまはもう閉店されているお店を見つけたときは、懐かしさとともに、その切り絵の中に“あのころ”を思い出し、当時のわたしと邂逅したり。
また、ギャラリーの真ん中でジンリッキーを口に含めば、前後左右に展示されているBarの、マスターそれぞれからもてなされている感覚に包まれ、なんともリュクスなひとときでありました。
ねぇ、成田一徹さん。
ねぇ、マスター。
人生って、なかなかいいものですよね。
いろいろあるけど、、、いろいろあるからこそ、味わい深くておもしろいんですよね。
わたしも、まだまだ旅の途中。
わたしの人生という旅を、たっぷりじっくり続けていきます。
ちょっと疲れたときは、またその止まり木で休憩させてね。
うれしいときにも、おはなし聴いてね。
Bar。
いつもありがと。
これからもよろしくね。