それは3日前のこと。
生徒Aさんからこんな話を聞きました。
Aさんは2か月後にご両親と姉家族、妹家族の全員で旅行に行くことにしたそうです。
私:一家総出ですね、楽しそう!
Aさん:そうなんです。父が高齢だし、もしかすると、これが皆で行く最後の旅行になるかもって思っているところもあって。
行き先は、以前からお父様が「一度行ってみたい」と話していた、恐竜博物館のある福井県に決め、予約も入れたそうです。
ところが、Aさんの心に、ふと、こんな想いが湧き上がってきたそうです。
「旅行の前に、職場で主人ともうひとりの同僚が事故に遭って、怪我をするかもしれない」
根拠はないのに、どうしてもそのイメージが離れない。
日頃から直感の強いAさんだけに、気になってしようがない…
そのことを、霊感の強い友人に話してみたところ、「旅行の行く先を東方面に変えた方がいい。そうすれば流れが変わる。」とアドバイスをもらったそうです。
Aさん:で、やっぱり怖いから、思い切って行き先を東の地方、I市の温泉に変えたんです。宿も予約し直して。
そしたら、あんなに強く感じていたご主人への不安が、スコーン!と消えてしまったそうです。
Aさん:私、日頃から筋肉反射も使ってるんですけど、その反応も見事に変わって「OK」になったんですよ。これって、なんでだろう?と思って。なんで行き先を変えたらそうなるんだろう?って。
友人の説明では、「本来シナリオとして決まっていることは、変えることはできない。でも、今回Aさんが感じていた“事故のイメージ”は、シナリオで決まってたわけじゃなくて、Aさんの“感情”が一時的に引き寄せた、いわば“付箋”みたいなもの。感情が不安を引き寄せて、シナリオにペタッと、仮で貼りつけちゃった、みたいな感じ」
と言われたそうです。
Aさん:変えられることと変えられないことがあって。
たとえば、起こる出来事そのものは変えられなくても、ちょっとしたきっかけで“流れ”が変わったり、“タイミング”がズレたりすることはあるんだって言われて。
Aさん:わかったような、わからないような、でもまあ筋肉反射の反応も変わったからこれで良かったんだろうけど、でも なんでだと思いますか?
私:う~ん、「感情が引き寄せた付箋」っていう意味がよくわからないけど。
Aさん:友人も言語化が苦手なタイプなので、自分に(降って)来ている感覚をそんなふうに表現してくれたんだと思うんですけど。「これがどのくらいの精度で降りてきてるのか、自分でもよく分からない」って言ってました。
そのとき…!
私に降ってきたのは…
私:あの、今回起きたことの「捉え方」なんですけど……
もしかしたら、最初に「福井に行く」って決めたときに、なんとなく嫌な感じがした。
で、そのあと行き先をI市に変えたらスッと不安が消えた。
……それって、「最初からI市に行くのがシナリオだった」からなんじゃないかな?
私:これまでの流れだと。
「福井に行こうとした → それだとよくないことが起きるかもしれない → だから行き先を変えた」みたいな、「不幸を避けるために変更した」っていう視点になっちゃう。
私:私はいつも「人生はシナリオありき」と思っているので。
「福井がNGだから、I市に変更させられた」んじゃなくて、「最初からシナリオではI市だった」んだと思うんです。
でも、Aさんがお父様の希望を汲んで、いったん福井を選んだ。
それってすごく自然な流れだけど、シナリオとはちょっとズレていた。
だから、「上」がAさんの中に“ざわざわする不安”を湧かせたり、霊感のあるお友達を通じて「東に行った方がいい」ってメッセージを届けたりして、軌道修正をかけてきたんじゃないかな、って。
Aさん:それならすごい納得。
私:でもさ、もう福井の宿まで予約してたわけでしょ?
よほど強い理由とか、動機がない限り、そこまで準備したものをわざわざキャンセルして、他の行き先を探そうなんて、思わないよね。
私:だって、私たちには「シナリオ」が見えてないわけだから。
私:もし、「福井じゃなくてI市に行くのが本当の流れなんです」ってだけ言われたら、きっと心は動かないと思う。
私:「不幸を回避するため」みたいに言わないと、心が動かない。
それで「上」があえてそういうストーリーを用意して、心を動かす仕掛けを作った。
Aさん:ああ、そうだと思います。だって主人が怪我をするって思ったときも、そうなったら、結局旅行には行けなくなる、って降ってきてたので。
そうそう、それで不安になって友人に相談することによって、「シナリオ通り」にI市に決めるっていうね。そういうシナリオ。笑