本日も倍速で視たカンブリア宮殿シリーズ。(笑)
9月28日はネスレ日本の高岡浩三社長でした。
高岡社長がまだマーケティング部に所属していたとき、スイス本社から「キットカットの利益を5年で500%アップしろ」という指令が下ったそうです。
5%、10%程度であれば「よし、こんな方法で利益アップを図ろう」とこれまでの経験に基づいて計画を立てることもできるでしょうが、500%と言われたら常識的な戦略では到底達成することなどできません。
とはいえ、本社からのお達しなのでいろいろと情報のアンテナを張り巡らし、売上アップに奔走する日々が続きます。
そんなある日、福岡の支店から1月と2月に不思議と売上がアップするという報告が上がってきました。
調べてみると、福岡ではキットカットが「きっと勝っとぉ」という博多弁に聞こえ、験担ぎで購入する顧客が増えているということがわかったのです。
高岡氏は、「これだ!」とひらめき、全国の予備校での販売を試みますが、思うように売れません。
そこで自分の経験から、『受験前日に不安に駆られるホテルで受験に出発する前にフロントで受験生に直接手渡ししてはどうだろう』というアイデアを思いつきます。
そして、自ら一軒一軒のホテルに足を運び交渉しますが、応諾してくれたホテルはたった2軒。それも高岡氏の熱意にほだされてやってみようかとしぶしぶ受け入れてくれたものでした。
ところが、この2軒のホテルが奇跡を起こすとは、その時誰もが想像しなかったでしょう。
言われたとおりに受験当日、ホテルのフロントで受験生にキットカットを「頑張って下さい」というメッセージカードと共に手渡すと予想もしていなかった大きな反響があったのです。
これが口コミで話題になり、キットカットは受験期に大きく売上を伸ばすようになり、スイス本社から与えられた500%という途方もない目標を1年前倒しで4年で達成してしまったのです。
■ 非常識な目標を設定すれば、自分の眠っている才能を開花させることにつながる
通常、私達は自分の能力の10%程度しか使わず仕事をこなしています。
そこで普通のやり方では到底達成できないような目標を掲げ、これまで誰もが考えたこともないような方法を真剣に考え、実行に移すことによって、自分の眠れる才能を呼び覚まし、どんな高い目標でもクリアすることができるようになります。
たとえば、蚤を天井のある箱に入れると、最初は自分の能力を最大限に発揮して、天井を越える勢いでジャンプしますが、天井に打ち付けられて痛い思いをすると学習して天井までの範囲内でしか跳ばなくなるといいます。
そこで天井を取り払ったとしても、天井の位置を越えることなく小さなジャンプしかしなくなるというのです。
人間も同じように失敗して痛い目にあえば、「自分の実力はこんなものだ」と自分の中で天井を設けてしまい、それ以上の能力を発揮することなど考えもしなくなるのは決して珍しいことではありません。
挑戦する前から諦める癖がついてしまっているのです。
ただ、一人ひとりにはせっかく才能があるのに、それをビジネスのために活かさないのは、ビジネスの社会貢献度を考慮に入れれば、大きな社会損失といっても過言ではありません。
ネスレ日本の高岡社長のように、自分にはこれくらいしかできないと限界を決めつけずにとてつもない大きな目標を設定し、常識にとらわれない達成法を見つけていく努力をすれば、埋もれていた才能が開花し、本来の能力を発揮することができるようになるのではないでしょうか。