世界4位のアパレル企業GAPが、主要ブランドの『GAP』と『バナナリパブリック』の店舗200店を今後3年間で閉鎖するようです。

 

以下、朝日新聞からの引用です。

 

米衣料品大手ギャップは6日、主力のカジュアルブランド「GAP」と、やや高価格の「バナナ・リパブリック」の計約200店舗を今後3年間で閉める、と発表した。両ブランドは2015年度以降、年3~10%のペースで売り上げが減っており、不振店を中心に全店舗のほぼ1割をたたんでコストを削る。

 

一方で、低価格帯中心の「オールドネイビー」と、スポーツ衣料を扱う「アスレタ」の2ブランドは人気が高まっていることから計約270店増やし、会社全体では店舗網を拡大させる方針だ。ただ、日本ではオールドネイビーは今年初めまでに撤退している。

 

アート・ペック最高経営責任者(CEO)は「ネット販売、低価格帯、アクティブ。顧客がいる方向にシフトすることで成長を実現する」と述べた。

 

米アパレル市場は低価格ながらも流行を取り入れたファストファッションか、「アスレジャー」と呼ばれる機能性の高いスポーツ衣料に人気が集中。そのはざまで、GAPなど伝統的なブランドは苦戦が続く。「ラルフローレン」「Jクルー」「アバクロンビー&フィッチ」といった大手各社は、トップ交代や店舗閉鎖、人員削減に相次ぎ追い込まれている。

 

もともとGAPは、今ファストファッション業界の主流であるSPA(speciality store retailer of private label apparel)という仕組みをいち早く築き、業界でその地位を確固たるものにしてきた企業。

 

ところが最近では業績不振で2017年6月末では『ユニクロ』を展開するファーストリテイリングに抜かれ、グローバルレベルで4位にまで転落してしまいます。

 

出典:ファーストリテイリングホームページ

 

加えて最近は新聞記事にあるように、「アスレジャー」と呼ばれる機能性の高いスポーツ衣料の人気

が高まっています。

 

このカテゴリでは、これまで直接の競合ではなかったナイキやアディダス、そしてスポーツウェアの新興企業であるアンダーアーマーなどとの競争が激化しています。

 

特に流行の移り変わりの激しいファッション業界なので経営の舵取りは今後益々難しくなるでしょう。

 

このGAPの不振はユニクロを展開するファーストリテイリングにとっても他人事ではないのではないでしょうか。

 

機能性を重視したユニクロの商品は、“低価格ながらも流行を取り入れたファストファッション”、“「アスレジャー」と呼ばれる機能性の高いスポーツ衣料”とは若干ポジショニングが異なっており、特にアメリカ市場ではGAPのように波に乗れない可能性も十分に考えられます。

 

戦略的にはより低価格の『GU』により一層の力をいれるか、「アスレジャー」のトレンドに乗っかるかというのがセオリーでしょうか。

 

今後のファーストリテイリングの動向も興味深いものになると思います。

 

いずれにしろ、世界のアパレル業界ではさらに勝ち組、負け組が鮮明になってきそうです。