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怪談24時

全国を色々旅してきた筆者が聞いた怪談を発散していくブログです!
随時怖い話や不思議な話も募集中!
よろしくお願いします^_^

PN:キュウ 男性


5年ほど前のお話です。


私は都内で働く普通のサラリーマンです。

ある日残業で遅くなり、明日も早いので急いで帰宅していた時の話です。


家は住宅街にある単身用マンションで

いつも通り住宅街の中を歩いて帰っていました。


あと少しで家に着くかな〜と言う時に

突如強烈な歩けない程の眩暈に襲われたのです。


その場で立ちくらみをやり過ごそうと思い

朦朧とする意識の中を保つ為、足をつねりながら座り込んでいました。


暫くしてある程度目眩も治ったので

パッと目を開き辺りを見て驚愕しました。


全く知らない土地にいたのです。


場所は同じ住宅街なのですが

全く見たことがない景色、あたりも深夜だったのに

何故か夕方のように綺麗な茜色の日差しが差している、そんな光景が広がっていました。


突然の事に困惑していると後ろから

「お兄さん」

と声をかけられました。


振り返ってみると、そこには50代くらいの男性が一人立っていました。


私も混乱していて何も言えずにその場に立ち尽くしていると


「ーーーー(覚えてない)地区に来るのは初めてですか?」


と聞かれました。

その男性は続けざまに


「ごじょうやごじょうやごじょうやごじょうや」


と訳の分からない言葉をかけてきました?


そこで私も何故か冷静になり

「ごじょうや?」

聞き返しました。


すると男性は笑みを浮かべながら

背中に背負っていたリュックサックから

一つの木の板のような物を取り出し

私に差し出してきました。


記憶が不完全な為に間違っているかもしれませんが

長方形の板に


鳥 兎 亀 鶴

●   ●   ●   ●←浅い窪みがある


動物の漢字とその下に窪みがある古ぼけた板のようでした。


私も訳も分からずその板を眺めていると

その男性は右手を差し出し私の手に何かを渡してきました。


それはビー玉の様な綺麗な青色石でした。


男性は板の窪みを指差し、それを入れろとジェスチャーで伝えて来ました。


あまりにも訳が分からなかったのですが、

とりあえず私は亀と書かれた下の窪みにその石をはめ込みました。


私の記憶はそこで終わっています。


目が覚めると私は眩暈がした路上で座り込んでいました。


不安になり携帯を確認すると帰社した時間から15分ほどしか経っていません。

私の家は会社から20分ほどの位置にあるので至って順調にに帰って来た事になります。


それからは特に何もないのですが

かなり不思議な体験でした。

今も時々この世界は本当に自分が生きていた世界なのか?と不安になったりします。