前ブログの続き。

 

翌朝。

山の中腹に雲が横たわる

幻想的な光景を目にしながら起床。

昨夜はみぞれ交じりの雨が降っていたけれど、

それも止んで、晴れ間が見え始めたところで

いざ仕事現場へ直行。

 

待っていてくれたのは、

あったかい秋田弁で

インタビューに応じてくれる

住民たちでした。

在りし日の秋田の祖母の姿と

重ね合わせてるうちに取材は終了。

祖母が空から見守ってくれてたからか、

順調に仕事が片付き、

うれしい空き時間ができたので

ここからほど近いエリアにある

湧水群で知られる六郷へ立ち寄ることに。

子どもたちがまだ小さかった頃、

観光で一度訪れたことがあり、

日本の原風景のような佇まいと

あちこちに湧く清らかな水に

心が動かされた当時の記憶を頼りに

六郷の街めぐりをしようと思ったら、

結構空き家が目立っていて、

造り酒屋だったと思われる情緒ある建物が、

後継者がいないからか

廃屋になっている悲しい光景に遭遇。

他の通りを歩いていても、

空き家はあちこちに点在していました。

こうした光景は、

この街だけではなく、

日本列島のどこでも見られるわけだけど、

子どもたちといっしょに行った

思い出の地が変わってしまうのは

とっても残念です。

 

気を取り直して、

マップ片手に湧き水巡りを続けることに。

最初に訪れたのは、

ハタチや酒店の敷地内に

こんこんと湧くという、「ハタチや清水」。

開かれた塀から

「おじゃましま~す」と顔を突っ込んでみると、

驚愕の事実が。

湧き水が一滴も見当たらず、

池だった痕跡をわずかにとどめる

大きな穴があいているばかり。

ひょっとして、

冬季は凍ってしまうから

水をストップさせてしまうのか?

でも、湧き出る水を

ストップさせることなんてできるのか?

とあれこれ悩みを深めていると、

塀に張られた一枚のポスターに気づきました。

文面には、

今の時期はちょうど渇水期にあたり、

写真のような清水が見られなくてごめんね、

というやさしいメッセージが。

そして、5月~9月になると

キレイな湧き水が見られるから

また来てね、

と再訪のお願いが。

 

張り紙一枚でも、

こんな気遣いがあると、

「うん、また来るからね」

という気持ちになるから

ちょっとした心遣いって大事だよね~

って思いながら、

とりあえず

他の湧き水スポットにも

行ってみることにしました。

 

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