少し前のこと。

満席の新幹線に乗って、新潟出張へ。

観光客よりも

ビジネスマンの多さを実感しながら、

信濃川を渡って

老舗の蕎麦屋に向かいました。

以前訪ねたときは行列ができていたので

時間の都合上、泣く泣く諦めたお店です。

そのリベンジを果たすべく今回、

遅めのお昼時間に行ってみたところ、

人っ子一人並んでおらず、

店内の客も1名のみ。

名物のエビのかき揚げ蕎麦を

拍子抜けするほど

すんなりと食べることができたのでした。

 

これは幸先良しということで、

申し分ない天気を味方につけて、

海まで足を延ばしてみることに。

 

その前に、ちょっと寄り道。

新潟市出身の文学者、會津八一氏が

晩年に10年間住んでいた

北方文化博物館新潟分館」へ。

縁側に佇み

枯池式枯山水の庭園と対峙していると、

風がスーッと室内を通り抜けていき、

自然の冷房の心地よさにしばし感動。

八一氏が居住していたという洋館にも、

庭園のしたたる緑が窓越しにのぞめ、

光と風が絶妙な陰影を作り出していました。

庭には八一氏が生前に建てた歌碑があります。

望郷の思いを刻んだ句で、

職人に彫工してもらうにあたり、

文字の行間や空間にまで

細かく指示したそうな。

しかし、あいにく

木漏れ日による陰影により、

せっかくの文字が読みにくくなっていたのでした。

どうやら、差し込む光のことまでは

計算してなかった模様・・・ニコニコ

 

海に向かう途中、面白い名称の坂を発見。

その名も、どっぺり坂。

ドイツ語からきているらしく、

日本語にすると「落第坂」という、

有り難くないネーミングらしい。

 

落第坂を上って、さらに北上すること十数分、

木々の間から、真っ青な海が見えてきました。

夏の日本海は、空の青よりも濃く

キラキラ輝きを放っています。

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