前ブログの続き。

 

宿のフロントと、宿泊する古民家は、

位置的に少し離れています。

が、その距離を生かして、地域住民が、

街並みや歴史に触れながら

ぐるりと町を案内してくれました。

しかも、

ガイドブックには載っていない情報満載で、

たとえば、幼少時代に

子どもは立ち入り禁止、と

大人にきつく言われていたエリアの跡地とか、

とっておきの路地とか、

崖の上のポニョの主人公が住む

家のモデルといわれているおうちとか、

撮影で鞆の浦に来ていたハリウッド俳優の話、

地元の人が通う食堂などなど、

その昔、風光明媚な港町として

発展を遂げた町ならではの内容が飛び出し、

どれも面白いのなんのって。

こうした住民たちとの触れ合いも、

町の魅力を高めるために

NIPPONIA鞆が仕掛ける

サービスのひとつなんだそう。

暮らすような旅をしたい者にとっても、

願ったりかなったり。

 

30分位、町の中を案内してもらった後、

山の中腹にある宿の入り口へ

たどり着いた私たち。

お世話になった住民とはここでお別れし、

細い路地を通って、

いざ、宮澤喜一さんの元別荘へ。

居間に入った途端、まず

目に飛び込んでくるのが、

宿の名前にもなっている

広ーい縁側。

そしておだやかに光る瀬戸内海。

ぽっかり浮かぶ島々。

こうして

時が止まったようなところでは、

手挽きのコーヒーミルに、

ハンドドリップで一滴一滴

ていねいに淹れる所作がよく似合います。

庭にある大きなウッドテーブルに置いて、

行き交う漁船の音や

ウグイスの鳴き声をBGMに

極上のティータイムを過ごしました。

 

傍らの母は、

北海道の海では考えられない

波のない水鏡のような瀬戸内海に

感動しきり。

 

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