『ベオウルフ/呪われし勇者』感想。己の業の深さを突き付けられた問題作。 | まじさんの映画自由研究帳

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人間の業の深さを思い知った!

当時、劇場で3Dにて鑑賞。DOLBY-3Dの日本初上陸作品として上映された。

『ロード・オブ・ザ・リング』に影響を与えた古典の英雄譚である。呪われた英雄が、自らの行動によっての呪いからの解放を描いている。

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前半と後半の二部構成により、複雑なストーリーを簡略化し、作品の持つテーマを分かりやすく伝えている。とても良い脚本である。

フルCGのによるアニメーションで、等身大の人間をリアルに描いた意欲作だ。最も印象に残ったのは、巨人グレンデルの表現が、本当に恐ろしい。

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人間の本能に訴えて来る恐怖を感じた。デザインや動き、そして声など、まさしく恐怖の具現化だ。人間の表現も素晴らしく、極限までデフォルメを排除し、衣類の質感にまでこだわった、リアルに描く試みに感心した。アンジェリーナ・ジョリーの輝く黄金の裸体にドキドキしたものだ。

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実写だと見紛うシーンもいくつもあった。なんてリアルなCGなのだと、当時は思ったものだ。


だが、先日、ちょっと見る機会があり、見直してみると、CGのクオリティの低さに驚愕した!身体の不自然な動き、特に衣類の動きなどが、とてつもなく不自然だった。肌の実感もおかしい。当時、俺が見たのは何だったのだ?

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CGのクオリティは日々進化している。だが、それと同様に、我々の眼もまた、肥えているのである。当時はリアルだと思ったCGであっても、更に高度な描写を一度でも目にしてしまうと、すぐさまそれ以前のモノが古臭いものに見えてしまう。


あぁ、なんと浅ましい、人間の業の深さよ!!


CGアニメは、いつまでも満たされる事のない、呪われた宿命を背負っているのである。




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