カツはカツとしてカレーと出会い、
カレーはカレーとしてカツと出会う。
而して汝、汝としてカツカレーと出会う。
ドラマをご覧にならなかった方からは、何じゃそりゃ❓と思われる言葉でしょうね(笑
とある出版社の「辞書編集部」内で行っていた「月イチ カツカレーの会」を久しぶりに再開しようとする時に編集部の元リーダーが立ち上がって、新入部員を前にその会の趣旨について一言垂れたもの。
何でカツカレーでこんな大袈裟な⁉️(笑)と思いましたが、コレはドラマの筋立ての中で、主人公が「熟字訓」(じゅくじくん)というものを初めて知った時のことを印象付けるためのエピソードであった。
「熟字訓」とは例えば「微風」と書いて「びふう」と普通に音読みするのではなく「そよかぜ」と読むようなものを指すらしい。
「「微」(び)はそれ単独では「そよ」と訓読みすることはないが「風」とくっついた熟語の時だけは「そよ」と読むことが出来る。そういうものを「熟字訓」と言う。」と辞書監修の国語学者の大先生から指導された際に挿入されたエピソードがさっきの「カツはカツとしてカレーと出会い〜」の一風変わった演説(?)になったものでした
ま、このエピソードは後のドラマの展開の中で、初めは言葉の収集とその語釈に情熱❤️🔥を燃やす一風変わった編集部の仲間に初めは大きな戸惑いを感じていた主人公が元々持っている言葉への感性、才能を発揮して辞書作りに夢中になって行くのだが、或る時「私は熟字訓の様なものです。辞書作りのやり甲斐に出会って変わっていった私は、もう出会う前の私には戻れないんです。」と皆の前で心の内を吐露する展開へと繋がって行く。
謂わば「カツカレー」のエピソードは伏線であり、それを見事に回収した脚本の妙であった。
でも、その展開について僕が感じたのは、辞書作りやそれに情熱を燃やす人達に共感する様になった今はもうそれらと出会う前の自分に戻れないという「熟字訓」という言葉とはまた違った言葉が頭に浮かんだものだった。
それは「邂逅」という言葉
ドラマ登場人物の辞書監修者の大先生からは「まずるかさん、それではその言葉「邂逅」を是非辞書で引いてみてください」と言われそうだ(笑
僕の持っている中型国語辞典は『広辞苑」が何度かの引越しを経て見当たらなくなっていたので、前回「鬱陶しきもの」の記事で紹介した講談社の『日本語大辞典』しか有りません。(小型は他に幾つか)
この辞書の監修者である、名著にしてベストセラーの「知的生産の技術」をお書きになった梅棹忠夫先生や大国語学者であらせられた金田一春彦先生を前にして不遜な言葉を吐けば、是非その「邂逅」の語釈の中に「人との嬉しい出会い」というニュアンスも付け加えて欲しい👅
でも、この辞書の特徴であるが英語での表現も語釈の最後に付加されているのが興味深い。
⬆︎の写真でご覧の様に come across:
encounterと出ている。
👉 英文のコロン(:)はpunctuation (句読点)の用例としては「=」(イコール)を意味する際に使われます。
あの “encounter”は高校時代の英語の教科書に出て来て「遭遇」という意だとは知っていた^_^
スピルバーグ監督の映画「未知との遭遇」の原題覚えてますか❓
“Close Encounters of The Third Kind”
『第三種接近遭遇」でしたっけね😁
閑話休題、
僕があのドラマのカツカレーのエピソードを観た時に感じたのは、脚本上の「熟字訓」ではなく、
人生に於ける人と人との偶然のそして嬉しい出会いを意味する「邂逅」だよなと思った話に戻ります💦
これも以前の記事『新社会人に贈る言葉』に書いた人生で大切なものを言葉にすると「好きこそものの上手なれ」とか “Have a passion!”(情熱を持て)に加えてこの「邂逅」という言葉を加えたい😇
子供の頃からの友人、恩師、仕事で種々の啓示を与えてくれた同期、先輩、上司^_^
多くの社会人講座を通じて知り合い、学生時代や会社員時代とはまた違った経歴、経験で多くの刺激を与えていただいた各種講座のクラスメートの方々^_^ そして新しい学びの喜びを与えていただいた社会人講座の何人もの先生方😇
そして何より12年前、Yahooブログから始めたこのブログを読んで頂き、嬉しいコメントをいくつもいただいたブロ友さん達^_^
ある意味凝り固まった自分の固定観念や価値観に囚われずに興味の分野の扉を開いてその「入口」を教示頂いた皆様との「邂逅」はかけがえの無い人生の宝物であります😇
最後になりますがこの記事を上げるために、今春再びオープンした県民活動総合センターのレストラン(新しい名称は「県活食堂」で今日のランチに「カツカレー」を食べて、あのドラマでの台詞、
カツはカツとしてカレーと出会い、
カレーはカレーとしてカツと出会う。
而して(然して?)汝、汝としてカツカレーと出会う。